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ふるさと納税で自分の街が得をしているのか損をしているのか可視化される「ふるさと納税のリアル あなたの街は勝ち組?負け組?」


2008年5月から開始されたふるさと納税では、魅力的な特産物がありながらもアピールの場に恵まれなかった自治体などが返礼品制度を活用して大きく収入を伸ばしている一方、ふるさと納税の利用者が住む地方自治体は税収減となるため、財政が潤う地域とそうでない地域とで明暗が分かれています。日本経済新聞が総務省の現況調査を元に作成した「ふるさと納税のリアル あなたの街は勝ち組?負け組?」では、ふるさと納税で収支がプラスになっている自治体とマイナスになっている自治体が一目でわかるようになっているとのことなので、実際に使ってみました。

ふるさと納税のリアル あなたの街は勝ち組?負け組?:日本経済新聞
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/hometown-tax-donation-trends-map/

上記のURLにアクセスすると以下のような画面になります。


下にスクロールすると、ふるさと納税での収支をどのように計算したのかが説明されていました。これによると、地方交付税が交付される自治体では「寄付受入額-経費-住民税控除額×0.25」、交付されない自治体では「寄付受入額-経費-住民税控除額」でプラスマイナスを計算しているとのこと。


「地図を見る」をクリックして実際にマップを見ていきます。


デフォルトの「実質収支額」では収支がプラスの地域は赤色で、マイナスの地域は青色で表示されており、色が濃いほど額が大きいことを示しています。赤色の地域と青色の地域の分布を見ると、東京や大阪、愛知など都市圏は収支がマイナスになる傾向があることがわかります。


右上のメニューから「寄付受入額」を選択すると、受け取った寄付金の金額ごとの色分けを見ることができます。


経費合計額では、返礼品の調達や広報費などの経費、つまりふるさと納税で寄付金をもらうためにいくら使っているのかがわかります。


下部にある表示年度を切り替えることで、同じ都道府県内で格差が広がっていく様子を見ることもできます。


金額帯で絞り込む機能もあります。試しに実質収支額が「-100億円」の自治体で絞り込んだところ、以下のようになったので、神奈川県川崎市をクリックしてみました。


収支の詳細を見ると、神奈川県川崎市は財源が豊かな不交付団体であるため、地方交付税による補塡(ほてん)が受けられず、ふるさと納税による税収の流出の影響が直撃してしまっていることがうかがえます。


日本経済新聞によると「勝ち組のトップは宮崎県都城市」とのことなので、左上の検索欄に「宮崎県都城市」と入力して検索してみました。


宮崎県都城市の詳細はこんな感じ。特に2018年から2019年にかけて大きく実質収支を伸ばしていることなどがわかります。市の発表によると、同市が受入額で全国1位になるのはこれが4度目とのこと。ただし、返礼品の鶏肉の産地偽装が報じられるなど、順風満帆というわけでもないようです。

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in レビュー,   ネットサービス, Posted by log1l_ks

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