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世界初の「スマホで自撮りできる巨大なカメラ・オブスキュラ」とはどんなカメラなのか?


小さな穴を使ってスクリーンに目の前の光景を投影する「カメラ・オブスキュラ」という装置は、写真を撮影するカメラの元祖といえます。イギリスのファルマス大学で写真学を教えるデビッド・ホワイト氏が約2メートル四方の巨大な「自撮り用カメラ・オブスキュラ」を開発したと、写真やカメラに関するニュースサイト・PetaPixelが紹介しています。

The World's First Camera Obscura That You Can Take Selfies With | PetaPixel
https://petapixel.com/2023/11/15/the-worlds-first-camera-obscura-that-you-can-take-selfies-with/

ホワイト氏が作った自撮り用カメラ・オブスキュラが以下の画像。ちょっとした小屋ほどの大きさがありますが、この黒いテントすべてがカメラ本体になっています。


実際にホワイト氏とファルマス大学写真研究所のメンバーがiPadを使って撮影したセルフィーが以下。


写真技師のケイト・ディンガリングさんが撮影したセルフィーはこんな感じ。


基本的な構造はカメラ・オブスキュラと同じで、小さな絞りを通って入ってきた光をスクリーンに投影し、そのスクリーンをテント内に設置したキヤノン製カメラで撮影するという仕組みです。そのため、実際にスクリーンに投影される映像は上下逆さまになります。テント内に設置したスクリーンはスマートフォンやiPadから前後に動かすことができ、さらにキヤノン製カメラもスマートフォンやiPadからリモート操作が可能。つまり、離れたところから焦点を合わせながら自撮りができるというわけです。


ただし、6フィート(約1.8メートル)四方の広いスクリーンに投影するためにはレンズが必要になります。ホワイトさんは巨大な自撮りカメラを作成するにあたって、大きなレンズ1枚に絞りを取り付けた「ウォラストン風景レンズ」と呼ばれるシンプルなレンズの制作を、アメリカ在住の大判写真の専門家に特注で依頼しました。価格は400ドル(約6万円)だったそうです。


レンズの焦点距離は790mmで、絞り値はf/5.4とのこと。


テントがメインフレームなので、畳んでしまえば簡単に持ち運びができるのもポイント。屋外でも屋内でも、一定の広ささえあればどこでも自撮りができます。ただし、軽量であるがゆえに、風が強いと飛ばされてしまうこともあるそうです。


なお、ホワイト氏の自撮り用カメラ・オブスキュラでの撮影例は、以下から閲覧することができます。

Camera Obscura Selfies - Portfolio - David White no spin photographer Cornwall
https://www.nospin.co.uk/albums/6Dbleb/camera-obscura-selfies-1

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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