Microsoftが「ユーザー規定のブラウザを使用してリンクを開くようになりました」との声明を出すも実際には以前と変わっていないとの指摘

MicrosoftのWindowsでは、他社製のソフトウェアやサービスからMicrosoft製のものに移行するよう促す取り組みがたびたび行われてきました。2023年8月にMicrosoftは「規定のウェブブラウザを使用してリンクを開きます」との声明を発表したものの、実際にはMicrosoft Edgeへの移行を促す取り組みを続けていることが報告されています。

Announcing Windows 11 Insider Preview Build 23531 (Dev Channel) | Windows Insider Blog
https://blogs.windows.com/windows-insider/2023/08/25/announcing-windows-11-insider-preview-build-23531-dev-channel/

Microsoft has not stopped forcing Edge on Windows 11 users | Ctrl blog
https://www.ctrl.blog/entry/windows-system-components-default-edge.html

Microsoftは現地時間2023年8月25日に開発者向けWindows 11のプレビュービルドをリリースしました。リリースの中でMicrosoftは、「欧州経済領域(EEA)内では、Windowsシステムコンポーネントは規定のブラウザを使用してリンクを開きます」と述べています。

しかし、エンジニアのダニエル・アレクサンダーセン氏が最新版のプレビュービルドをインストールしてテストを行ったところ、Microsoftの主張する改善は行われていなかったとのこと。

アレクサンダーセン氏によれば、最新版のプレビュービルドをインストールしてアップデートをかけたあとの初回起動時、フルスクリーンで既定のウェブブラウザをMicrosoft Edgeに設定するように促されたとのこと。また、チャットAIのWindows Copilotやスタートメニューでのウェブ検索、OutlookなどのMicrosoft純正アプリで開いたウェブリンクについても、従来のバージョンと同じく強制的にMicrosoft Edgeで開かれたとのことです。

アレクサンダーセン氏はさらに、Windows 11のHomeとProの両方のエディションでの検証を行うとともに、EEA加盟国であるノルウェーとEEAおよびEU加盟国であるドイツの2つの構成で検証を行いました。

アレクサンダーセン氏によると、さまざまなバージョンで何度検証を行っても特定のウェブリンクは規定のブラウザではなくMicrosoft Edgeで強制的に開かれたとのこと。

Microsoftは開発者向けプレビュービルドの変更を限られたユーザーに徐々に展開することがあり、どの変更を展開しているかについては明らかにしていません。アレクサンダーセン氏は、「規定のウェブブラウザでの処理に関する新しい変更は、今後段階的に展開されていく可能性もあります」と述べています。

一部のユーザーは「Windowsを起動して『コンピューターのセットアップを完了しましょう』という表示とともにMicrosoft Edgeを勧めるウィザードが起動するたびに私は不快な気分になります」と語っています。また、Microsoft Edgeが強制されることに批判的なユーザーは、「AppleのSafariのようなシームレスなエコシステムでのみブラウザの統合にはメリットがあります」と述べています。

アレクサンダーセン氏は「Microsoftは規定のウェブブラウザに関する変更について曖昧にしており、その後の最新版プレビュービルドのアナウンスや変更履歴にも、この件についての言及はありません」と批判しています。