BMWがサブスク形式で提供していたシートヒーターを買い切り形式に変更
ドイツの自動車メーカーであるBMWは、革張りの自動車やバイクのシートを暖める「シートヒーター」を採用しています。これまでシートヒーターは月額有料のサービスとして提供されており、批判の的となっていましたが、ついにBMWがシートヒーターを買い切り形式での販売に切り替えることが明らかになりました。
BMW will not charge extra to activate existing functions in cars | Autocar
https://www.autocar.co.uk/car-news/new-cars/bmw-will-not-charge-extra-activate-existing-functions-cars
BMW drops plan to charge a monthly fee for heated seats - The Verge
https://www.theverge.com/2023/9/7/23863258/bmw-cancel-heated-seat-subscription-microtransaction
BMWがシートヒーターを月額18ドル(約2600円)の月額有料サービスとして提供していた件については、以下の記事にまとめられています。韓国ではシートヒーターが月額有料サービスを契約することで利用できるようになっており、1年契約や3年契約、さらには買い切りプランも用意されていました。また、韓国以外にもイギリス・ドイツ・ニュージーランド・南アフリカなどの国と地域でも、BMWのシートヒーターがサブスクリプション形式で販売されていたことが報じられています。
BMWがシートヒーター用の「月額約2500円の有料プラン」を提供していることが話題に - GIGAZINE
2023年9月5日から開催されている自動車関連カンファレンスのIAA MOBILITYに参加したBMWの販売およびマーケティング担当役員であるピーター・ノタ氏が、自動車関連メディア・Autocarのインタビューに答えました。
このインタビューの中で、ノタ氏はシーターヒートのサブスクリプションはBMWが実施している少額取引に関する広範な実験の一部であったものの、実験はあまり成功しなかったと明かしています。ノタ氏は「(一部の機能を)後からアクティベートできる機会を提供することで、顧客に追加のサービスを提供しようと考えましたが、ユーザーの受け入れはそれほど多くありませんでした。人々は2倍のお金を支払ったと感じているかもしれませんが、実際はそうではありません。しかし、ユーザーの認識こそが現実であると我々は考えているため、このサブスクリプション形式での機能の提供を取り止めました」と語っています。
シーターヒートおよびステアリングヒーターは今後はサブスクリプション形式ではなく買い切り形式で販売されることとなりますが、高度な運転支援機能やアダプティブサスペンションなどのその他の機能は、引き続き一部の地域ではサブスクリプション形式で提供され続けることとなるそうです。
なお、BMWの広報担当者によるとシートヒーターがサブスクリプション形式で提供されていたのはイギリス・ドイツ・ニュージーランド・韓国・南アフリカなどだそうです。これに加えて、ステアリングヒーターも今後はサブスクリプション形式で提供されることがなくなると、広報担当者は付け加えています。
BMWがサブスクリプション形式で機能を提供しようとするのは今回が初めてではありません。BMWは過去に、Appleの提供するCarPlayを利用したいユーザーには300ドル(約4万4000円)の買い切りプラン、あるいは年間80ドル(約1万2000円)のサブスクリプションプランのいずれかで料金を請求していました。これに対して、その他の自動車メーカーの大多数はCarPlayおよびAndroid Autoを無料で提供しています。さらに、BMWは自動車全体をサブスクリプションで提供する実験的なプログラム「Access by BMW」を提供していました。
ただし、Access by BMWとCarPlayの有料サブスクリプションプログラムはどちらも最終的に終了しています。
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