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自動車の機能をサブスク化するのは違法であるべきだとニュージャージー州議会で法案化が進行中


近年、自動運転に必要なソフトウェアやシートを温める機能など、自動車に搭載される一部機能が月額課金制の「サブスクリプション」として登場することが増えてきました。このような自動車関連の機能をサブスクリプションとするビジネスモデルに不満を持ったアメリカ・ニュージャージー州の議員らが、これらを規制する法案を提出したことが報じられています。

Car feature subscriptions should be illegal, New Jersey legislators say | Ars Technica
https://arstechnica.com/cars/2022/10/new-jersey-politicians-want-to-ban-subscriptions-for-car-hardware/

2021年、自動運転車を開発するテスラはフルセルフドライビング(FSD:完全自動運転)機能を買い切りからサブスクリプション形式へと切り替えました。2022年には、購入から8年以上経過した車のナビゲーション、地図、音声コマンドといった標準的な機能を月額課金制にすると通知しており、永続的に料金を徴収しようとする企業の姿勢に利用者の不満が募っています。

ソフトウェアだけでなく、ハードウェア面でもサブスクリプションの波が押し寄せています。BMWが顕著な例で、韓国やイギリスなどの市場ではシートヒーターなどの機能をサブスクリプションで提供しています。

BMWがシートヒーター用の「月額約2500円の有料プラン」を提供していることが話題に - GIGAZINE


このようなビジネスモデルを変えるべく、ニュージャージー州のポール・モリアーティ議員とジョー・ダニエルセン議員は2022年9月末、ニュージャージー州で自動車メーカーやディーラーが「購入時に車両に搭載されているハードウェアを利用する機能の『利用権』を提供すること」を禁止する法案を提出しました。

この法案では、衛星ラジオやWi-Fiなどの第三者サービスは除外されているものの、シートヒーターなどのメーカーが用意する機能は対象となるため、成立すればBMWのような例が排除されるものとみられています。これには初犯で最高1万ドル(約150万円)、再犯で最高2万ドル(約300万円)の罰則が設定されています。

ただし、これはまだ法案に過ぎず、ニュージャージー州の法律として成立する保証はありません。また、「対象となるサービスがディーラーやメーカー、第三者にとって継続的な出費となる場合はこの限りではない」という例外が設けられているため、例えばクラウドからデータを取り込むナビゲーションシステムや部分的な自動運転機能のように「メーカー等がサーバー接続や維持の費用を負担しなければならない場合」は規制されない可能性があります。


BMWなどいくつかの自動車メーカーはニュージャージー州にオフィスを置いているため、法案は各メーカーに大きく影響します。この情報を伝えたArs Technicaは「BMWにコメントを求めたので、返事があればこの記事を更新します」と記しました。

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in 乗り物, Posted by log1p_kr

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