メモ

子どもの時間を塾や習い事でがんじがらめにするメンタルヘルス上の弊害について専門家が解説


現代のティーンエイジャーはSNSによってメンタルヘルスに悪影響を受けているという指摘があります。これについては専門家によって異なる意見もあるのですが、社会心理学者のジョナサン・ハイト氏はティーンエイジャーのメンタルヘルス対策として、自由な遊び時間を増やすことがいいと提案しています。

Play Deprivation Is A Major Cause of the Teen Mental Health Crisis
https://jonathanhaidt.substack.com/p/the-play-deficit


ハイト氏の意見は、師匠にあたるボストン大学心理学教授のピーター・グレイ氏の主張だとのこと。なお、スマートフォンやSNSがティーンエイジャーのメンタルヘルスに悪影響を与えているかどうかという点については師弟で意見が異なるそうです。

まず、アメリカではここ50年にわたって、ティーンエイジャーが大人の監視から離れて遊んだり活動したりする自由が、全体的に減少してきています。変化の原因は、子どもの動向を警戒しておかなければならないという社会的不安の高まりと、スポーツや習い事などに時間を割くべきだという考え方の増加などにあるとのこと。


この社会的変化に合わせるようにして、ティーンエイジャーのメンタルヘルスはここ数十年で確実に悪化しています。たとえば、大うつ病性障害(MDD)や全般性不安障害と呼ばれる症状の割合は5倍~8倍に増加しているそうです。アメリカ疾病予防管理センターのデータによれば、15歳未満の子どもの自殺率は1950年から2005年の間に3.5倍になり、さらに2005年から2020年の間に2.4倍に増加。アメリカの高校生の18.8%は真剣に自殺することを考え、15.7%は計画を立て、8.9%は1回以上試行し、2.5%が自殺しているそうです。

そもそも、子どもは少しでも自由な遊びの時間が増えると幸せに感じるという研究結果があります。また、子どもは自分たちで開始してコントロールできるものが遊びだと感じているという研究もあります。わかりやすい数字としては、学齢期の子どものメンタルヘルス悪化や自殺の件数は、学校が夏休みに入る夏に減少し、夏休みが終わると増加するということでも示されています。


また、アルバイトをしているティーンエイジャーは、アルバイトをしていないティーンエイジャーより幸福度が高いという研究もあります。これは、仕事をすることで独立心と自信を手にするからだとのこと。

過去の研究では、自分で問題を解決し人生を主導できるという強い意識、すなわち「内的統制(内的ローカス・オブ・コントロール:LOC)」を持つ人は、不安に苦しむ可能性が低いことが示されています。しかし、他人から継続的に監視されコントロールされている場合、強い内的統制を持つことが難しいこともわかっています。

こうしたことから、ハイト氏は「子どもというのは、遊んだり探検したりするように作られていて、成長してどんどん自立していくもの」と述べ、ティーンエイジャーに必要なのは「普通の子ども時代」だとまとめています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
10代の少女はかつてないレベルでメンタルが絶望の中にあるという報告 - GIGAZINE

「今どきの若者は精神的にもろい」という主張は本当に正しいのか? - GIGAZINE

SNSは子どもや若者にいい影響も与えるが深刻なリスクをもたらす可能性があるとの報告、公衆衛生局長官が政策立案者・テクノロジー企業に行動を促す - GIGAZINE

「自分は友人より貧乏だ」と感じている子どもは自尊心や幸福度が低くいじめ被害に遭いやすい - GIGAZINE

in メモ, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article Experts explain the harmful effects on m….