サイエンス

2000年前の「カレー作りの証拠」が東南アジアの遺跡で発見される


カレーは日本だけでなく世界中で親しまれているスパイス料理です。新たに、オーストラリア国立大学の研究チームがベトナムの遺跡で約2000年前のカレー作りの痕跡を発見したことを報告しました。発見された痕跡にはベトナム周辺では採取されていなかったスパイスも含まれていたことから、約2000年前に世界的な交易路が構築されていた可能性が示されています。

Earliest curry in Southeast Asia and the global spice trade 2000 years ago | Science Advances
https://doi.org/10.1126/sciadv.adh5517


Researchers find evidence of a 2,000-year-old curry, the oldest ever found in Southeast Asia
https://theconversation.com/researchers-find-evidence-of-a-2-000-year-old-curry-the-oldest-ever-found-in-southeast-asia-210192

研究チームはベトナム南部「オケオ」の遺跡で発掘調査を行っていました。


発掘調査の結果、2017年から2019年にかけて以下のような「スパイスをすりつぶすための道具」が数多く出土しました。


出土した道具を分析したところ、複数種の植物に由来するでんぷんが検出されました。これらのでんぷんを詳しく分析した結果、ターメリックやショウガ、クローブ、ナツメグ、シナモンといったカレーの材料となるスパイスに由来するでんぷんでであることが判明しました。


さらに、出土品の年代測定を実施した結果、出土品は西暦207年~326年に作られたものであることが判明。しかし、検出されたスパイスの中には西暦207年~326年にベトナムで採取できなかったものも含まれていたことから、西暦207年~326年にベトナムと世界を結ぶ広範な交易路が整備されたいた可能性が示唆されています。

研究チームによると2017年から2020年にかけて実施された別の発掘調査では、今回の研究に使われたものよりも保存状態の良好な植物の残骸が出土したとのこと。このため、今後の研究によってベトナム周辺で利用されていたスパイスや交易路の詳細が明らかになる可能性があります。

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in サイエンス,   , Posted by log1o_hf

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