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「Twitterによるユーザーへの収益分配」は不透明で不平等という指摘


TwitterはTwitter Blueユーザーと広告収益の分配を開始しています。この収益分配を極右アカウントが受け取っているにもかかわらず、条件を満たしているはずの他のアカウントは収益を受け取ることができていないと、The Washington Postが指摘しています。

Twitter begins paying Andrew Tate, DC Draino for their contributions - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2023/07/13/twitter-creators-payments-right-wing/


Twitter Starts Paying People to Tweet, Far-Right Accounts Among First Payouts | PCMag
https://www.pcmag.com/news/twitter-starts-paying-people-to-tweet-far-right-accounts-among-first-payouts

Right-Wingers Make Bank Off Musk’s Twitter Affiliate Money
https://gizmodo.com/right-wing-users-cash-in-on-twitter-affiliate-cash-1850640588

Twitter’s New $5M Revenue Sharing Program Gives Payouts To Far-Right Influencers – Deadline
https://deadline.com/2023/07/twitter-revenue-sharing-program-pays-far-right-influencers-elon-musk-1235438248/

Twitterは2023年7月14日から、ツイートのリプライ欄に配信される広告から得た広告収益の一部をユーザーに分配し始めました。広告収益の分配を受けられるのは、Twitter Blueに加入しており、過去3カ月間での月ごとのツイートインプレッション数が500万回を超えているユーザーのみ。収益分配を受けたユーザーの中には数百万円を受け取った人もいます。

TwitterがTwitter Blueユーザーに広告収益の分配を開始、数百万円を受け取る人も - GIGAZINE


この収益分配を受けたアカウントの中には、極右のインフルエンサーとして知られるIan Miles Cheong氏、Benny Johnson氏、Ashley St. Clair氏などのアカウントも含まれていると、The Washington Postは指摘しています。

実際、これらのアカウントをチェックしてみたところ、それぞれ以下の金額を受け取ったとツイートしていました。

Cheong氏は1万6259ドル(約230万円)


Johnson氏は9546ドル(約130万円)


Clair氏は7153ドル(約100万円)


また、極右のインフルエンサーであり、レイプや人身売買の罪で逮捕され、のちに釈放されたAndrew Tate氏が、Twitterから2万379ドル(約280万円)の支払いを受けたと報告しています。


他にも、DC Draino氏やEd Krassenstein氏、Brian Krassenstein氏、End Wokeness氏などの極右インフルエンサーも、Twitterから収益分配を受け取ったと報告しています。ただし、著名な極右インフルエンサーが全員収益分配を受けているわけではないとThe Washington Postは指摘しており、例えばLibs of TikTokは収益分配を受けたか否かについて明らかにしていないそうです。

これに対して、保守系インフルエンサーでRuby Media Groupのクリス・ルビー社長は、「保守的なコンテンツ制作者の中にはこの事態(極右に収益を分配していること)に不満を抱いている人もいると思います」とThe Washington Postに語りました。

また、170万人超のフォロワーを抱えるBORED氏は、「私のアカウントは作成されて以来、Twitterで6000億回のインプレッションを生成していますが、広告収益を受け取ることはできませんでした」とツイートし、条件を満たしているにもかかわらず収益分配を受け取ることができなかったと報告しています。


テクノロジー関連のニュースレターであるGeekoutを運営するMatt Navarra氏も、「私は15年以上にわたりTwitterを使っていますが、収益分配の対象にならなかったのは非常に残念です」と、収益分配の対象とならなかったことを打ち明けています。

Twitterは広告収益の分配について、「クリエイターに分配される収益は、リプライと毎月のインプレッション数に基づいて決められる」とブログで説明していますが、マスク氏は「正確にはインプレッション数ではなく、重要なのは他の認証済みアカウントに表示された広告の数です。認証済みアカウントのみがカウントされます。そうでなければシステムをボットで操作することが簡単になってしまいます」とツイートしており、どちらの情報が正しいのかは不透明です。


なお、コンテンツクリエイターでデジタル文化の研究も行っているというJules Terpak氏は、ツイートから収入が得られることについては魅力を感じているものの、マスク氏がコンテンツの盗用やボットなどの問題にどのように対処するのかには疑問が残るとしました。また、Twitterが広告収益の維持に苦戦していることを挙げ、「Twitterがどうやってユーザーに収益分配金を維持するのかは疑問です」とも指摘しています。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by logu_ii

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