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Twitter創業者ジャック・ドーシーが支援する分散型SNS「Nostr」をベースにしたアプリ「Damus」が「ビットコイン投げ銭機能をやめないと削除する」とAppleから脅迫されていたことが発覚


Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏が数千万円規模の投資を行った分散型ネットワークプロトコル「Nostr」を採用したSNSアプリが「Damus」です。しかしDamusに搭載されたビットコイン投げ銭機能の「zaps」がAppleのデジタルコンテンツ販売に関するガイドラインに違反しているとして、DamusはAppleから「14日以内にガイドライン準拠のためのアップデートを行わなかった場合、プラットフォームからアプリを削除する」と警告されていることが明らかになりました。

Damus must tweak BTC tipping feature to stay on App Store, social platform's creator says - Blockworks
https://blockworks.co/news/damus-tweak-zap-feature


The Block: Apple will remove Damus app unless it drops Bitcoin tipping feature
https://www.theblock.co/post/234392/apple-damus-app-removal-warning

Jack Dorsey’s Damus may be thwarted by Apple’s strict payment rules
https://www.cnbc.com/2023/06/13/jack-dorseys-damus-may-be-thwarted-by-apples-strict-payment-rules.html

Nostrは検閲に強いグローバルなSNSを構築するために開発された分散型ネットワークプロトコルで、ジャック・ドーシー氏が開発資金を援助したことでも知られています。そんなNostrをプロトコルとして実装したアプリの1つが、テキスト送信に特化したTwitterのようなシンプルなアプリ「Damus」です。

Damusは「Twitterよりもプライベートで安全なSNSです」と自称しており、プライベートメッセージはエンドツーエンドで暗号化され、アカウントの作成には電話番号やメールアドレス、本名の登録などが必要ありません。

そんなDamusには、ユーザー同士でアプリ内でビットコインを送信できる機能「zaps」が導入されています。しかしAppleはこのzapsがアプリ内課金の仕組みを介しておらず、アプリ内課金の仕組みについて定めたガイドラインに反していると指摘しています。AppleはDamusに対して「14日以内にガイドラインへの対応を行わない場合、App Storeから該当アプリを削除します」と警告しています。


zapsについてAppleは「デジタルコンテンツクリエイターからコンテンツを受け取ることに関連して、ユーザーがビットコインによる投げ銭を行うことができる機能です」と認識。さらに「投げ銭や寄付といった機能をアプリ内に搭載することは問題ありませんが、その行為によってデジテルコンテンツを受け取ることにつながる場合は、アプリ内課金の仕組みを利用する必要があります」と指摘しています。

一方でDamusの開発者であるWalker氏はAppleに対し「Damusのコンテンツは多くのクライアント経由でNostrに投稿されており、誰でも完全に無料で利用できます。そのためユーザーはデジタルコンテンツクリエイターからコンテンツを受け取っているわけではありません。ユーザーは投げ銭を行ってコンテンツの代金を支払っているのではありません。間違いを訂正して下さい」と述べています。


またドーシー氏は「投稿に対する投げ銭はフィードバックの一環であり、デジタルコンテンツを販売するものではありません。どうして人々がビットコインを互いに送り合うことを制限するのですか。zapsはインターネットにおけるグローバルな決済プロトコルを構築できる重要なシステムで、最終的にAppleにとって非常に大きな利益をもたらすでしょう」と述べています。


さらにドーシー氏は「Appleはzapsがどのように機能するのか、またzapsの目的について誤解しているようです」と発言。「zapsはインターネットの未来にとって欠かせない存在で、従来のゲートキーパーを介さずに世界中の人々を経済活動に巻き込むことができます」と述べ、Appleのティム・クックCEOに対して再考するように求めています。


Damsはzapsの今後について「現在、ユーザーは投稿ごとに投げ銭を行うことが可能ですが、Appleによるとこの機能が『デジタルコンテンツの販売』と見なされています。今後はユーザーのプロフィール欄にzapsのボタンを配置する予定です」と発表。一方で「Damusがかなり不自由になりますが、一応まだzapsを行うことは可能です」と不満を表明しています。

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in ネットサービス, Posted by log1r_ut

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