オフグリッド太陽光発電が遠隔地の電力事情を変える
インドネシアでは近年、電力の恩恵が多くの人に行き渡るようになっており、2005年から2020年の間に電力普及率は85%から97%近くまで上昇しました。それでもなお、送電網の行き渡らないところに50万人以上が住んでいるのですが、オフグリッド(送電網に接続していない)太陽光発電が、遠隔地に電気をもたらしつつあることが報告されています。
Off-grid solar brings light, time and income to remotest villages | AP News
https://apnews.com/article/offgrid-solar-electrification-indonesia-0991d77d68f879c4daa12e7d3dfd97ee
Off-grid solar lights up lives in Indonesia - YouTube
照明の下で織物をする女性、Tamar Anajawaさん。
電気の恩恵について、「この照明が来るまで、私は夜の間は働けませんでした。光りはなく、周りは闇でした。オイルランプを使っていました。でも今は、疲れるまで働くことができます」と語りました。
Anajawaさんが住むスンバ島。
スンバ島はインドネシア・小スンダ列島の中にあります。
村で共有する太陽光発電ミルで、トウモロコシの粒をひいている様子。
一方、従来のやり方は2つの石ですりつぶすというもの。
Imelda Pindi Mbituさんは「ミルのおかげで仕事は楽になりました。何が問題かというと、女性としてやるべきことがたくさんありますよね。主婦としてやることは1つだけではありません。従来のやり方だと、朝から始めても午後までかかっていて、ほかに何もできませんでした。でも、機械が使えるようになって早く終わるようになったので、ほかのことができるようになりました」と、機械のありがたさを語りました。
スンバ島では、Sumba Sustainable Solutionsという草の根組織が国際的寄付者と協力して、家庭用の太陽光発電システムの導入費用の補助を行っています。この仕組みを利用して導入された太陽光発電システムの数は3020以上、太陽光発電ミルの数は62で、3000世帯相当に及びます。
しかし、まだまだこれでも不十分で、Reku Pekambaniさんは「もし可能であれば、我々にはもっと照明が必要です。太陽光発電パネルからの電気を必要とする隣人は、まだ多くいるのです」と述べています。
・関連記事
島全体を太陽光発電とバッテリーでまかなうテスラの理想を実現した「Ta’u Microgrid」 - GIGAZINE
エネルギーの自給自足を行う「マイクログリッド」はやり方によっては高い電力自給率を実現する - GIGAZINE
再生可能エネルギーは「ほぼ100%の電力需要」を満たせるレベルにある - GIGAZINE
・関連コンテンツ