バドミントンの新技「スピンサーブ」があまりにも強すぎて国際トーナメントで暫定的に使用禁止、一体どんな魔球なのか?
世界バドミントン連盟(BWF)が2023年5月12日、「スピンサーブ」と呼ばれるサーブについて、理事会が開催される5月29日まで暫定的に国際トーナメントでの使用を禁止することを発表しました。スピンサーブは近年になって国際トーナメントでの使用頻度が増えており、返球が非常に難しい「魔球」として知られているとのことです。
News | BWF Corporate
https://corporate.bwfbadminton.com/news-single/2023/05/12/bwf-council-approves-interim-ban-on-spin-serve-effective-immediately/
BWF approves temporary ban on unplayable 'spin serve' | Reuters
https://www.reuters.com/sports/bwf-approves-temporary-ban-unplayable-spin-serve-2023-05-12/
BWFは5月12日の告知で、「BWF評議会は新しい『スピンサーブ』の使用を禁止するために、バドミントンルールの『実験的バリエーション』を承認しました。この変更は直ちに発効し、クアラルンプールで次の理事会が開催される2023年5月29日まで続きます」と述べました。
暫定的に承認された新たなルールでは、「サーバーはスピンを加えずにシャトルをリリースし、サーバーのラケットがシャトルのベースに当たる必要があります」と記されています。この「サーバーはスピンを加えずにシャトルをリリースし」という文言により、スピンサーブが国際トーナメントで使用できなくなるとのこと。
ロイターによると、スピンサーブが初めて国際トーナメントで使用されたのは、3月のポーランドオープンだったそうです。シャトルを打つ前から回転をかけるスピンサーブはレシーブが非常に困難であるため、ラリーにならずサーブだけで得点が入るシーンが大幅に増加し、バドミントンの競技性に大きな影響を与えると指摘されています。
BWFのポールエリク・ホイヤーラーセン会長は、「BWFは選手がバドミントンにイノベーションを起こし、コートで競走の優位性を生み出すために技術を試すことを歓迎します。しかし、BWF選手委員会を含むバドミントン界から、この『スピンサーブ』がゲームに悪影響を及ぼす可能性があるとの意見が複数寄せられています」と述べ、スピンサーブの禁止は選手からの要請を受けたものだと説明しました。
大きな話題となっている「スピンサーブ」はどういうサーブなのかについて、プロバドミントンプレイヤーのGreg Mairs氏とJenny Moore氏が、以下のYouTube動画で詳しく説明しています。
(1) The New Serve In Badminton That Is IMPOSSIBLE To Return! - YouTube
スピンサーブはこれまでバドミントン界で使われていたサーブとは異なります。
打ち方は普通のサーブとそれほど変わらないように見えますが、レシーバーが返球することは非常に困難です。
レシーブがネットに引っかかってしまいました。
スピンサーブをレシーバー側の視点から見ると、シャトルが奇妙な回転をしつつ迫ってくるのがわかります。
レシーバーの返球の難度が高い一方で、サーバーが習得するのはそれほど難しくないとのこと。
スピンサーブを打つ際には、左手の親指でシャトルを支えつつ、中指を折り曲げてベースの上部分に添えます。通常、サーブの際はシャトルのコルクを持たない方がいいとされていますが、スピンサーブでは親指と中指でコルクを挟むようにするのがコツです。
サーブを打つ直前に中指をはじいて、シャトルに反時計回りの回転をかけます。
シャトルなしで指の動きを見るとこんな感じ。スピンサーブはシャトルをはじく独特の動作が入るため、日本では「デコピンサーブ」とも呼ばれています。
なお、左利きのプレイヤーが打つ場合は、中指ではなく親指でシャトルをはじくと効果的だとのこと。
サーブはやや上向きにすると回転がかかりやすく、ラケットのバックスイングはかなり短めにするといいそうです。
また、シャトルをはじいてからすぐに打つと、回転を最大化しつつサーブをコントロールできると説明されています。
動画の最後では、スピンサーブが一般化すればラリーがほとんど発生しなくなってしまうため、いずれ禁止されるだろうという見解をMaris氏が述べています。この動画が投稿されたのは2023年4月16日なので、Maris氏の予見から1カ月も経過しないうちにスピンサーブが禁止されたことになります。
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in 動画, Posted by log1h_ik
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