流出したアメリカ政府の機密文書はDiscordに投稿され4chanやTelegramに拡散された&なぜかTRPGのキャラクターシートが含まれていたことも判明
2023年4月に、インターネット上にアメリカ政府の機密文書が流出していることが大きく報じられました。この機密文書の出所について、「2023年1月頃にDiscordサーバー上に投稿されていた」という報告が上がっています。
New Details on Intelligence Leak Show It Circulated for Weeks Before Raising Alarm - WSJ
https://www.wsj.com/articles/new-details-on-intelligence-leak-show-it-circulated-for-weeks-before-raising-alarm-7730a395
From Discord to 4chan: The Improbable Journey of a US Intelligence Leak - bellingcat
https://www.bellingcat.com/news/2023/04/09/from-discord-to-4chan-the-improbable-journey-of-a-us-defence-leak/
2023年4月6日に、ニューヨーク・タイムズが「ウクライナ軍を支援するためのアメリカとNATOの秘密計画」について記した機密文書がSNS上に投稿されたことを報じました。流出した文書には武器の供与計画やウクライナ軍の戦力、武器の消費ペースなどの詳細が記されていたとのこと。拡散されている情報の中には内容が改変されているものも含まれていますが、アメリカ国防総省は情報の流出を認めており、本物の情報も含まれていることが明確になっています。
また、流出した情報をニューヨーク・タイムズが精査した結果、「韓国政府内の通信を傍受して得た情報」が含まれていることも判明しています。これにより、2013年にエドワード・スノーデン氏が「アメリカ国家安全保障局(NSA)による各国政府の通信傍受」を暴露した事件と同様に今回の情報流出が大きな国際問題に発展する可能性が指摘されています。
Leaked Documents Show Seoul Torn Between U.S. Demands and Its Own Policy - The New York Times
https://www.nytimes.com/2023/04/09/world/asia/leak-pentagon-south-korea-ukraine.html
機密文書の流出が報じられたのは2023年4月からですが、数百件におよぶ機密文書が流出したのは2023年1月頃からで、少数のメンバーによってDiscordのサーバー上に投稿されていたとのこと。その後、2023年3月に数十件の文書が別のサーバーに投稿され、さらに10件程度の文書がMinecraft関連の大規模サーバーに転載されたことで大きな注目を集めるようになりました。
その後、Discordで共有されていた機密文書は、英語圏で人気の匿名掲示板「4chan」やロシア発のSNS「Telegram」で拡散されました。ただし、Telegramで拡散されている文書には「ロシア側に有利な改変」が施されているとのこと。
なお、流出した機密文書の中には、軍事的な情報を含まないように見えるものも含まれています。例えば、ニュースサイトのMotherboardが公開した以下の写真は一連の機密文書の中に含まれていたものですが、内容をよく見ると「STRENGTH(筋力)」「DEXTERITY(器用さ)」などのパラメーターが記されていることから、何らかのTRPGのキャラクターシートであることが分かります。このキャラクターシートについて、ゲームデザイナーとして活動するJacqueline Marie Bryk氏は、「クトゥルフ神話TRPG」と「Fallout TRPG」を組み合わせた自作ゲームのものだと推測しています。
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