バイク事故で脱臼骨折して救急搬送されたので治療過程や費用を詳細にまとめてみた
バイクの免許を取得するべく自動車学校に通って教習を受けていたところ、急制動(急ブレーキ)教習の際にバイクごと吹っ飛ぶ事故を起こして救急搬送されてしまいました。診断の結果、左手親指が脱臼骨折していることが判明。治療期間中は「合計治療費はいくらになるのか」「いつ頃治るのか」など不安で一杯だったので、有益な情報をインターネット上に残すべく「事故に至った経緯や事故後の流れ」「治療費」「治療期間」などを詳細にまとめてみました。
・目次
◆1:事故当時の状況
◆2:救急搬送後の流れ
◆3:再診&手術
◆4:術後の状況
◆5:ワイヤー抜去&事故後6週間までにかかった治療費まとめ
◆6:事故に備えて用意しておくべきもの
◆7:そして大学病院へ……
◆1:事故当時の状況
筆者は、普通二輪免許の取得を目指して自動車学校に通っている際に事故を起こしました。事故を起こした日付は2023年1月28日で、非常に気温の低い雨上がりの午後でした。それまでの教習は問題なくこなしており、1度も補講を受けることなく「今日2回教習を受ければ、明日卒業検定」という段階にまで到達。事故当日もスラロームや急制動などの課題を問題なくこなしていました。
急制動は「時速40kmで走行し、規定のラインを超えたらブレーキをかけて定められたラインに到達するまでに停止する」という課題です。筆者は急制動で失敗したことはほとんどなく、事故当日も急制動を3回繰り返し成功していました。しかし、4回目の急制動で車体が制御不能になり、バイクが左斜め前に吹っ飛んで体は右側を下にして勢いよく地面に打ち付けられました。録画していたわけではないので事故の正確な原因は分かりませんが、おそらく「前輪ブレーキを強くかけすぎた」ことが原因と思われます。また、雨上がりで路面がぬれていたことも影響したかもしれません。
一番最初に地面に触れたのは頭部で、ヘルメットが顔の側面に押し付けられて眼鏡のレンズがどこかに飛んでいってしまいまいした。しかし、アドレナリンが出ていたのか体の痛みは感じず、教官に「痛いところはある?」と聞かれても「顔をすりむいただけだと思います」と返答。教官は「頭を強く打ったかもしれない」と判断して即座に救急車と警察を呼んでくれましたが、その段階では「救急車を呼ぶほど重症ではないと思うなあ」などと考えていました。
事故直後は痛みを感じていなかったものの、救急車が到着する数分の間に左手親指周辺に強烈な痛みを感じ始めました。親指周辺をよく確認してみると、骨が明らかに変な位置に移動しており、指もまったく動かせないことが判明しました。
◆2:救急搬送後の流れ
事故から数分後に救急車が到着。自分で歩いて救急車に乗り込み住所や氏名などを伝えました。さらに数十秒後には警察官が到着。警察官にも住所や事故状況を伝えた後、近くの病院まで搬送されました。病院に到着したのは午後6時頃でした。
病院では最初レントゲン撮影とCT検査が実施され、その後、整形外科の医師が到着するまでしばらく待機するように指示されました。待機中に撮影した傷の写真が以下。眼鏡のツルが折れて目の横にささり、切り傷が付いていました。
レントゲン写真はこんな感じ。左手親指の付け根部分の骨が外れていることが分かります。
2時間程待って、整形外科の医師が到着。目の付近の傷は消毒した上でガーゼを貼り付けられました。
そして、指の骨は肩付近から麻酔注射を打った後、グイッと引っ張って元の位置に戻し、ギプスで固定されました。さらに、「ギプスで固定しただけでは、骨がまた外れてしまう。本当は手術が必要だけど、今日は時間外だから月曜日(2日後)にもう一度受診して手術を受けてください」と伝えられました。この時打った麻酔注射が全治療工程の中で最も痛かったです。
初診時の受診料の会計は時間外だったため精算できず、預かり金1万円を支払って痛み止めを3日分もらって家に帰りました。最寄り駅までは自動車学校の教官に社用車で送ってもらい、駅からは徒歩で帰宅。徒歩で家に向かう際に、すれ違った若者に「あいつ絶対ブレイキングダウン出た後やん!ギプスとガーゼまみれやぞ!」と言われたのが思い出深いです。
◆3:再診&手術
目の近くの傷はすぐにふさがりました。また、目の周りに殴られたようなアザができましたが、視力は問題なし。事故翌日はおとなしく過ごし、事故後2日目に再度病院に向かいました。
病院に到着後、レントゲン撮影した結果、やはりギプス固定だけでは骨を正しい位置に保てておらず、骨にワイヤーを挿入して固定する手術を受けることになりました。医師いわく「この手術では全身麻酔が適していますが、この病院は満床で新規入院不可能な状況です。痛みを我慢できるなら、肩に注射して左腕を麻痺させて手術します。かなり痛いかもしれません。我慢できますか?」とのこと。「キーボードは打てますか?」と聞いたところ、親指以外は使用可能な状態にしてくれるとのことだったので、その日のうちに手術を受けることにしました。
手術の説明および同意書が以下。診断名は「左母指CM関節脱臼骨折」で、「骨折経皮的鋼線刺入固定術」という手術をするようです。
手術に同意した後は、血液検査を受けて手術時間まで待機するとになりました。
手術前は水分は摂取していいものの何も食べてはいけないとのこと。院内の自動販売機で水を買って待ちました。
午後4時頃まで待って手術開始。ワイヤーを挿入した際のレントゲン写真はこんな感じ。
ワイヤーは皮膚から少し飛び出す長さで切断し、ワイヤーが飛び出た上からシーネ(当て木)を当てた状態で包帯を巻かれました。
手術後、数十分間ベッドに寝かされました。
数十分安静にした後、徒歩&電車で帰宅。数時間後には麻酔が切れてきて、左腕を上げられるようになりました。包帯はこんな感じに巻かれています。
手のひら側から見るとこんな感じ。
親指以外の指は自由に動くので、キーボードを問題なく打てました。
◆4:術後の状況
手術後は、1週間ごとにレントゲン撮影&問診を受けつつ安静に過ごしました。普段は自炊をしているものの、左手を水にぬらせないので料理は困難だったため、フリーズドライ食品や冷凍食品を食べてすごしました。
手術後1週間はズキズキとした痛みがありましたが、1週間経過する頃には痛みはほとんどなくなりました。
手術から3週間後には当て木を外され、親指の第一関節と第二関節を軽く動かすように指示されました。当て木を外した直後は親指を曲げる際に「筋肉痛のヒドイ時」のような痛みを感じましたが、1~2日程度でスッと曲げられるようになりました。
親指を曲げ伸ばししていると、「包帯からワイヤーが飛び出す」というアクシデントが発生。ただし、ワイヤーが抜けてしまうことはありませんでした。
◆5:ワイヤー抜去&事故後6週間までにかかった治療費まとめ
手術から6週間後にレントゲン写真を撮影した結果、骨が正常な位置に戻っていることが確認できたため、ワイヤーを抜くことになりました。
ワイヤーはペンチで力いっぱい抜かれました。医師が「ワイヤー抜くね~」と言いながらペンチを取り出したときは驚きましたが、痛みはほとんど感じずズズッと抜けました。ワイヤー抜去直後に撮影したレントゲン写真が以下。骨が元の位置に戻っているように見えます。
ワイヤー抜去後2日間は出血するとのことで、巨大なガーゼを当てられました。
包帯も巻かれ、以下のような状態で2日間過ごしました。
2日目の夜には包帯を外せました。久しぶりに見る包帯のない左手に感動。この時点では指を曲げた際に痛みを感じましたが、2週間後に再度受診するように言われていたので、特に気にしていませんでした。
事故直後の救急搬送からワイヤー抜去までかかった治療費は以下の通り。なお、筆者は社会保険に加入しているので負担率は医療費の3割で、以下の金額は実際に支払った「3割」の金額です。
日付 | 主な内容 | 費用 |
---|---|---|
2023年1月28日 | 検査&ギプス固定など | 2万770円 |
2023年1月30日 | 手術 | 1万3050円 |
2023年2月6日 | レントゲン撮影 | 1100円 |
2023年2月13日 | レントゲン撮影 | 890円 |
2023年2月20日 | レントゲン撮影 | 890円 |
2023年2月27日 | レントゲン撮影 | 890円 |
2023年3月6日 | 問診 | 220円 |
2023年3月13日 | レントゲン撮影 | 1100円 |
合計 | 3万8910円 |
◆6:事故に備えて用意しておくべきもの
実際に事故を起こして緊急搬送された経験から得た「事故に備えて用意しておくべきもの」が以下。
・バイクを運転するならプロテクター必須
今回は教習所で貸し出された胸・肩・肘・膝・スネのプロテクターに加えてプロテクター付きグローブを装着していたため「目の周りのケガ」と「左手親指の脱臼骨折」だけですみましたが、プロテクターがなかったら大惨事に発展していたかもしれません。実際に、ケガをまぬがれた右手に着用していたグローブは手のひら部分がえぐれており、事故衝撃から手を守ってくれたことが分かります。
また、右手の甲部分のプロテクターも地面と当たって削れています。プロテクターがなければ右手の指も傷付いていたかもしれません。
脱臼骨折した左手親指部分にも穴が空いています。インターネット上では「スポーツ経験があるから事故が起きてもとっさに受け身を取れる!だからプロテクターなしでもOK!」といった意見を見かけることがあります。しかし、筆者は武道経験があり受け身の腕前にはそれなりに自信があるものの、事故が起きた際は「ああ転倒するな」と脳が認識するより前に体が地面に打ち付けられました。スポーツ経験の有無にかかわらず、命を守るためにプロテクターは着用するべきです。
・財布の中に現金を入れておく
今回緊急搬送された際は、病院が時間外のため精算処理ができず、預かり金として現金1万円を要求されました。近年は電子マネーの普及で現金を持ち歩かない人もいますが、緊急時には現金が必要になる可能性もあるので、1万円と少しの現金を持ち歩くのがベターです。
・冷凍野菜を常備しておくと便利
左手に包帯を巻いている期間は左手を水にぬらせないため、料理をすることができませんでした。そうなると必然的に外食や冷凍食品を食べる機会が増えるのですが、それらの食事では「野菜が足りない」という状況に陥りがち。スーパーマーケットの冷凍コーナーで売っている冷凍野菜ミックスは、電子レンジで温めるだけで温野菜サラダとして食べられるので非常に便利でした。
・眼鏡ユーザーは予備の眼鏡を準備しておこう
事故の際に眼鏡が壊れてしまい、眼鏡屋に新しい眼鏡を作るまでは度が合っていない古い眼鏡を使うはめになりました。眼鏡ユーザーは、今の度数の眼鏡を複数個常備しておくべきです。
◆7:そして大学病院へ……
上述の通り、ワイヤー抜去までは良好な術後過程だったのですが、ワイヤー抜去後も左手親指付近の痛みが続いていました。「数週間経過したら痛みがおさまるかな?」と思っていたのですが、ワイヤー抜去の2週間後にレントゲン写真を撮影した結果、骨が外れていることが判明。医師も「術後6週間で骨が再度外れるなんて初めて」とのこと。結局、医師も対処方が分からないとのことで、付近の大学病院を紹介してもらうことになりました。
暫定処置として左手親指は当て木で固定。というわけで、記事作成時点でも親指固定生活は続いています。
大学病院の受診日は2023年4月4日の予定。今後の治療過程も記事にまとめて公開予定です。
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