2023年03月16日 19時00分ソフトウェア

「ヒックとドラゴン」「ボス・ベイビー」などを手がける映画会社ドリームワークスがレンダラー「MoonRay」のソースを公開

「ヒックとドラゴン聖地への冒険」「バッドガイズ」「ボス・ベイビーファミリー・ミッション」など数々の人気アニメーション映画を制作したドリームワークスが、社内レンダラーである「MoonRay」をオープンソース化し、GitHubで公開しました。

GitHub - dreamworksanimation/openmoonray
https://github.com/dreamworksanimation/openmoonray

MoonRay Production Renderer
https://openmoonray.org/

MoonRay Open Source Launch Press Release - March 15, 2023 - MoonRay_Open_Source_Launch_Press_Release.pdf
(PDFファイル)https://openmoonray.org/MoonRay_Open_Source_Launch_Press_Release.pdf

MoonRayはドリームワークスが社内開発を行っているMCRT(モンテカルロレイトレーシング)レンダラーであり、さまざまなドリームワークスの長編アニメーション映画で使用されてきました。YouTubeではMoonRayについて紹介する公式動画も公開されています。

MoonRay | DreamWorks Animation - YouTube

現地時間の2023年3月15日、ドリームワークスはMoonRayをオープンソースとして一般公開しました。ドリームワークスは少数のベータテスターと協力し、MoonRayがドリームワークスの外部でも適切に動作するようコードベースを適合させ、ドキュメントの作成やライブラリの再構築、ライブラリ依存関係の削減などに努めてきたと述べています。

MoonRayは効率とスケーラビリティに重点を置いて設計されており、写実的なものからアニメーション的様式にのっとったものまで、幅広い映像表現を可能にするとのこと。コンテンツ制作をサポートするため、物理ベースのマテリアルの広範なライブラリやレンダリングをサポートするHydraレンダーデリゲート、分散レンダリングのサポート、インテル Embreeを使用したフォトリアリスティックなレイトレーシングアクセラレーション、アクセラレーターを含むアーキテクチャで開発を簡素化するoneAPIなどの機能が含まれているそうです。

ドリームワークス・アニメーションのグローバルテクノロジー担当ヴァイス・プレジデントであるアンドリュー・ピアース氏は、「MoonRayは使用できるすべてのコアまたはGPUを使用し、インタラクティブな芸術的探求を実現します」「ドリームワークスと同様、MoonRayはアートとサイエンスの交差点で生まれました。私はアーティストや開発者のコミュニティがMoonRayでどのようなことをするのか、ぜひ見たいと思っています」とコメント。

ドリームワークス・アニメーションの最高テクノロジー責任者であるビル・バリュー氏は、「MoonRayの貢献により、ドリームワークスのオープンソースでに対する継続的なコミットメントを示すことができ、うれしく思っています。コミュニティとの関わりは私たちをより強くしてくれましたし、継続的なコラボレーションを楽しみにしています」と述べました。

実際にMoonRayを使用して制作されたドリームワークスの主要な長編アニメーション映画は以下の通り。

ヒックとドラゴン聖地への冒険