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人種差別に苦しむ黒人が日本に来て感じたこととは?


アフリカ系アメリカ人の高校生が自警団団員に射殺されたトレイボン・マーティン射殺事件や、アフリカ系アメリカ人の男性が警察官の行動によって殺害されたジョージ・フロイド事件などに端を発し、黒人に対する人種差別撤廃を訴えるブラック・ライブズ・マターが世界的に広まりました。それでも海外では差別意識が根強く残っているもので、特に長らく差別の対象となってきた人々の心には根強い恐怖心が残っています。そんな人種差別を日本で受けたことがあるのかを、日本に長年住むアフリカ系アメリカ人にインタビューした動画をアメリカ公共ラジオのNPRが公開しています。

Living While Black, In Japan | All Things Considered | NPR - YouTube


ジョージ・フロイド氏が警察官のデレク・ショーヴィン氏に首元を強く押さえつけられて死亡した事件に対し、インタビュイーは「こんなことが私の夫や息子に起こり得るなんて怖い」「こんなことが今でも祖国で起こるなんて」と話します。

インタビュイーは「誰かが僕らのことを警察に通報しないかとおびえていた」「人間というより驚異と思われていた」などと答え、祖国で差別を受けた経験があると振り返っています。インタビュイーの警察に対する恐怖心は強く、白人警官が近づいてきたときなどは特に緊張すると語る人も。


警察に相対したとき、ある人は「完璧に振る舞わなければ」と話し、ある人は「無力に感じる」と話します。何も悪いことはしていないにもかかわらず、何か悪いことをしたのではという態度を警察はとり、挑発的な態度をとってくることもあるそうです。

インタビュイーは、海外で勉強したいと考えたり、言語や文化が好きだったので移住して仕事したいと考えたりして、日本に移り住んできたといいます。就職先も音楽やエンタメの仕事だったり、スポーツトレーナーだったり、レストランを経営していたりとさまざま。


インタビュイーにとって、日本は「今までに体験したことのない開放感を感じられる場所」だとのこと。日本ではアメリカではできなかったことができ、タクシーも簡単に捕まえられ、お店に行けば他の顧客と同様にサービスを受けられることが新鮮だったそうです。

あるインタビュイーは、日本における黒人やアフリカ系アメリカ人の見方として、「テレビの影響が大きい」と語ります。黒人だからという理由で変なことを聞かれたり、勘違いされたりした経験もあるそうですが、そのたびに丁寧に間違いを訂正してきたと語る人もいます。ある人は「たいていの場合、分かってもらえます。日本の場合は無知が原因なことが多いですが、無知は打ち砕くことができます」と主張します。


日本における差別意識についても、ある人は「黒人だからといって差別されていると感じたことはありません。『外人だから』ということで差別を感じることはありますが」と意見しましたが、一方で「日本では人々が敬意を持って接してくれると感じます」と語ります。また、「黒人を見たことがないという理由で視線を集めることはありますが、ただ一つ違いはというと、誰かが僕を見た時に人々の目に憎しみがないということです」と語る男性も。

「アメリカに帰りたい?」という質問に対しては、「絶対ない」「分からない」「いつかは」などとさまざまな回答が行われています。

精神的な安寧を獲得できたという人も多く、ある人は「最終的に、自由とは安全に暮らせるということです。その安全という気持ちは、僕らの必要度の順位からすると、基本としてあるべきものです」と語っていました。

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in 動画, Posted by log1p_kr

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