シンプルなルールで相手と心理戦を繰り広げ旗を奪い合うボードゲーム「ストラテゴ」プレイレビュー
チェスや囲碁のように、コマの正体をプレイヤー同士が把握できるゲームとは違い、お互いのコマの正体を隠しながら戦うボードゲームが「ストラテゴ」です。また、ストラテゴは心理的要素を含めた戦略性が高いゲームとして知られており、2022年12月にAI開発企業のDeepMindが開発した「DeepNash」がストラテゴの世界トッププレイヤーに上り詰めたことが報じられました。そんなストラテゴがどんなゲームが気になったので、実際に遊んでみました。
Stratego - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Stratego
ストラテゴのパッケージはこんな感じ。
対象年齢は8歳以上、プレイ時間は45分、プレイ人数は2人を想定。
説明書は、英語のものが1冊と日本語のものが2冊。ストラテゴはアメリカやヨーロッパで遊ばれているボードゲームなので説明書自体は英語ですが、今回プレイするストラテゴには日本語に翻訳されているものも付属しているので、英語がわからなくてもOK。
説明書の下には、2つ折りになったフィールドが入っています。広げてみるとこんな感じ。
2つ折りになったフィールドを取ると、ゲームに用いる赤と青のコマがそれぞれ40個ずつ入っています。
これがゲームに用いるコマ(赤)です。
コマの表面には数字と絵が印刷されています。
裏面には何も描かれていません。
コマは数字が低い順から、1:スパイ、2:情報屋、3:爆弾処理班、4:軍曹、5:中尉、6:大尉、7:少佐、8:中佐、9:大佐、10:最高司令官です。また、特殊なコマとして旗と爆弾がそれぞれ存在します。
コマを取り出したケースには、それぞれ数字が刻まれており、対応するコマを適切な位置に収納することが可能です。
さっそく遊んでみます。最初は10個のコマだけで遊ぶ初心者向けルールです。なお、ストラテゴの勝利条件は、「相手の旗を取る」「相手のすべてのコマを取る」の2種類です。
初心者向けルールは、最高司令官やスパイ、大佐、旗を1つずつ、爆弾処理班や情報屋、爆弾を2つずつ使用します。まずはこれら10個のコマを自分の手前3列に自由に配置します。その際、箱を中心に立てることで、コマを配置する様子を相手から隠すことができます。
両プレイヤーの配置が完了し、目隠しを取ると、相手の陣形が明らかになります。コマの配置は自由なので、コマの並べ方に個人差が出ることが特徴です。
赤プレイヤーが先行です。各プレイヤーは旗と爆弾のコマを除いて、コマを移動させることができます。
コマは前後左右1マスだけ移動が可能です。
また、2:情報屋だけは前後左右に2マス以上動かすことが可能。ただし、2マス以上を動かすと2:情報屋であることが相手にバレてしまうため、序盤は1マスずつ慎重に動かすのが肝。
コマが隣接している場合、攻撃が可能です。
攻撃を宣言した場合、お互いにコマの数字を宣言し、コマのイラスト面を見せ合います。その際、数字が大きい方が勝利となります。
敗北したコマは、ケースに戻します。
また爆弾を攻撃してしまった場合は、数字の大きさにかかわらず、攻撃をしかけたコマは敗北となって退場。爆弾はその場にそのまま残り続けます。
しかし、コマの強さには例外があり、3:爆弾処理班が爆弾に攻撃した場合、爆弾を退場させることができます。
また、1:スパイが10:最高司令官に攻撃をしかけた場合のみ、相手の最高司令官を倒すことができます。
移動と攻撃を繰り返しながらターンが進みます。
最終的に、青プレイヤーの旗が赤プレイヤーの爆弾処理班に攻撃されてしまい、ゲームが終了しました。初心者向けルールともあり、今回のプレイ時間は25分程度でした。
続いて、40個のコマすべてを使用する本来のルールで遊んでみます。
自由にコマを配置できるので、ゲームスタート時の陣形が非常に重要になってきます。
お互いに移動と攻撃を繰り返しながらターンが進みます。
ターンを進めていると、以下の画像のような状況に遭遇しました。ゲームスタート時から青陣営の隅にある数コマが動いていないため、「おそらくこのコマの中に旗があるだろうな」と推察。しかし、爆弾の位置を含めた相手のコマの正体が分からないので、無策に進めることはできません。最も近い位置にある赤のコマは5:中尉なので、もしも相手が旗の周りに爆弾を置いている場合、あっさりと自身のコマがやられてしまいます。迷った結果、このコマを相手陣地に攻め込ませる決心がつきませんでした。こうした心理の読み合いも、ストラテゴの特徴の一つです。
しかし、コマを進めるか迷っているうちに、青のコマが自陣地に攻め込んできて攻撃を宣言。なんと青コマは最高司令官で、護衛も何もつけず単身で突っ込んできたというわけです。しかも、攻撃対象に指定したコマは運悪く旗だったため、赤の負けで決着がつきました。なお、決着が付くまでにかかった時間は約45分でした。
ストラテゴは自分のコマを進めつつ攻撃を行なう、将棋やチェスに似たゲームですが、将棋やチェスとは異なり、コマは前後左右の4方向にしか進めないため、ルールの理解が簡単です。また、コマの配置が各プレイヤーに委ねられていることから、「どこに旗を配置するか」「旗はどうやって守るか」などを考えつつ、陣形を構築する必要があります。
また、ストラテゴはコマ同士が接触するまで相手のコマの正体が分からないことから、時にはブラフやハッタリといった心理的要素を含めた戦略が重要になります。「いかにして自分のコマの正体を隠しながら、相手のコマの正体を明らかにすることができるか」がストラテゴの中核をなしていると感じました。
ストラテゴはシンプルなゲームながら、相手心理の読み合いや適切なコマの配置などもあり、かなり戦術的。ゲームを繰り返すことで最適なコマの配置パターンを探ることもゲームの楽しみ方の一つでもあり、リプレイ性も高いといえます。
今回プレイしたストラテゴの価格は記事作成時点で税込3954円で、Amazon.co.jpで購入可能です。
Amazon | Jumbo (ジャンボ) Stratego ストラテゴ オリジナル 戦略バトルボードゲーム 19816 正規品 | ボードゲーム | おもちゃ
・関連記事
DeepMindのAI「DeepNash」がコマの正体を隠す軍人将棋「ストラテゴ」をマスター - GIGAZINE
色も番号も取っ払ってワイルドカードだけというとんでもないルールで戦う「ウノ オールワイルド」プレイレビュー、とにかく勢いが大事なので爆速進行推奨 - GIGAZINE
王国の権力者に献上品や脅迫状を送りながら他を出し抜いて最高の商家を目指す対戦カードゲーム「Serviam」プレイレビュー - GIGAZINE
迷宮に潜って貴重な財宝を集めて確実に生還せよ!カードゲームの金字塔をシンプルに遊びやすくリメイクした「モンスターメーカー 新版」プレイレビュー - GIGAZINE
闘技場を動き回って戦い進めるデッキ構築型ストラテジーゲーム「Alina of the Arena」プレイレビュー - GIGAZINE
王女を守る騎士を率いて戦う「戦略」がモノを言う対戦型カードゲーム「Stella Monolith」プレイレビュー - GIGAZINE
・関連コンテンツ