イーロン・マスクは「自分のツイート表示回数を増やすための特別システム」を開発させている

Twitterのタイムラインには「おすすめ」と「フォロー中」の2種類が用意されていますが、2023年2月13日頃から「『おすすめ』にイーロン・マスク氏のツイートがたくさん表示されるようになった」という現象が世界中で報告されています。新たに、海外メディアのPlatformerが「マスク氏が自身のツイートの表示回数を増やすための特別システムを作らせていた」と報じています。

Yes, Elon Musk created a special system for showing you all his tweets first
https://www.platformer.news/p/yes-elon-musk-created-a-special-system

2022年12月から、Twitterでは各ツイートの表示回数を誰でも確認できるようになりました。この「ツイートの表示回数」についてマスク氏は非常に大きな関心を示しているようで、2023年2月には「ツイートの表示回数低下に納得できず、自身の影響力低下を指摘した社員を解雇した」という衝撃の実態も報じられています。

イーロン・マスクはツイート表示回数の低下に納得できず「あなたの注目度が落ちただけ」と説明したTwitterのエンジニアを解雇 - GIGAZINE

by Daniel Oberhaus

Platformerによると、上記の社員解雇騒動の後、マスク氏は社内の開発チームに対して「表示回数の問題が解決されなければ、全員が職を失うことになる」と伝え、約80人を「ツイート表示回数の問題に対処するチーム」に組み入れたとのこと。

Twitterの「おすすめ」タイムラインには、「フォローしているユーザーの投稿」と「フォローしていないが、Twitterが『優れている投稿』と判断したツイート」が混ざって表示されます。マスク氏のツイートは「優れている投稿」に該当するはずでしたが、開発チームが状況を分析した結果、マスク氏の投稿は当初の見積もりの半分しか表示されていないことが明らかになりました。

上記の問題の対策として、開発チームはマスク氏のツイートを「最高ランクのツイート」にランク付けするように修正しました。この結果、マスク氏のツイートがタイムラインに多く表示される現象が発生したというわけです。また、上記の対応は社内で「power user multiplier(パワーユーザー乗算器)」と呼ばれていますが、その対象者はマスク氏のみで、実質的にマスク氏専用のツイート表示数増加システムが構築されたことになります。

開発チームの対応によって、2023年2月13日頃からマスク氏のツイート表示回数は増加。例えば、以下のツイートは記事作成時点で1.5億回表示されています。

参考までに、マスク氏よりも多い1.3億人のフォロワーを抱えるバラク・オバマ元アメリカ大統領の以下のツイートは、表示回数が1590万回。マスク氏とオバマ氏のツイート表示回数を比較すると、マスク氏の異常な多さが際立ちます。

なお、マスク氏は2023年2月14日に「アルゴリズムの調整を行うので、少々お待ち下さい」とツイートしていますが、「アルゴリズムの調整」が何を意味しているのかは明かされていません。