乗り物

「テスラと半導体企業が合弁企業設立」というフェイクニュースが相次いで拡散されてしまう

by Ray

テスラ関連の情報を発信する複数のウェブサイトで「テスラが半導体企業『Annex』と合弁企業を設立した」という情報が発信されました。ところが、「Annex」という半導体企業は架空の企業であったことが海外メディアのElectrekによって報告されています。

Tesla blogs propagate fake news of chip joint venture, but why? | Electrek
https://electrek.co/2022/11/28/tesla-blogs-propagate-fake-news-chip-joint-venture/

問題の情報は、2022年11月27日に2つのテスラ関連情報サイトから発信された「テスラが半導体企業『Annex』と合弁企業を設立した」というものです。この情報は、記述内容から中国のニュースサイト「JW Insights」が2022年10月31日に掲載した記事を参考にしていたことが分かっています。しかし、Electrekが半導体に詳しい人物に「Annex」について尋ねた結果、誰も「Annex」という企業について知らなかったとのこと。


以下の画像は「Annex」のウェブサイトに掲載されていた事業所一覧です。本拠地はドイツのミュンヘンにあると記されており、その他に東京都港区を含む世界各国に事業所に設置していることがアピールされています。しかし、記載されている電話番号は架空の電話番号だったとのこと。


また、以下の左側の画像は「Annex」のウェブサイトに自社製チップとして掲載されていたものですが、AMDのRyzenシリーズの画像(右)を加工したものに見えます。さらに、「Annex」のウェブサイトを分析した結果、ウェブサイトが中国で作成されたことも判明しています。


Electrekは上記の調査結果から「『Annex』は実在の企業であるとは考えられません」と結論付け、「各分野の専門家を自称するウェブサイトでも、情報源を詳しく調べずに記事を掲載することがあります。インターネットで情報を得る際には注意が必要です」と述べています。

なお、誤情報を発信したテスラ情報サイト・TESLARATIは「テスラとAnnexの合弁企業設立に関する記事を掲載しました。現在、情報源を確認しています。詳細が判明次第、記事を更新します」というツイートを投稿し、問題の記事に誤情報である旨を追記しています。

We have pulled an article regarding Tesla and Annex Semiconductors being involved in a possible joint venture. We are attempting to verify the source of this article currently and will update you when we have more details. Thank you for your patience and we apologize.

— TESLARATI (@Teslarati)


[Updated - Corrected] Tesla China denies rumored
https://www.teslarati.com/tesla-semiconductor-joint-venture-china-report/

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
年をとればとるほどフェイクニュースを拡散しやすくなることが明らかに - GIGAZINE

Googleの広告ビジネスが偽情報を垂れ流すサイトの資金源になっていることが判明 - GIGAZINE

フェイクニュースが持つ「人々の注目を集め、偽の記憶を形成する」仕組みとは? - GIGAZINE

「フェイクニュースの戦術を解説する動画」をYouTube広告で流してフェイクニュースを見抜く能力を高める試み - GIGAZINE

明らかにおかしい政治的広告をYouTubeは全てブロックしたがTikTokは90%掲載してしまったことが抜き打ちチェックで判明 - GIGAZINE

in 乗り物, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.