Appleが「人工衛星経由の緊急SOSサービス」の提供エリアを2022年12月に拡大予定
iPhone 14シリーズには、携帯電話用のモバイル通信ではなく、人工衛星を経由する通信で緊急時にSOSを送信できる機能が搭載されています。この衛星通信機能によって、モバイル通信が届かない場所で遭難しても助けを呼ぶことが可能になりますが、記事作成時点ではアメリカとカナダでのみ提供されています。Appleがこのサービス提供を2022年12月から拡大し、フランス・ドイツ・アイルランド・イギリスでも利用可能にすると発表しました。
Emergency SOS via satellite available today on iPhone 14 lineup - Apple
https://www.apple.com/newsroom/2022/11/emergency-sos-via-satellite-available-today-on-iphone-14-lineup/
iPhone 14で使える衛星通信サービスについて、Appleは以下のムービーを公開しています。
The Rescue | Emergency SOS via satellite | iPhone 14 | Apple - YouTube
iPhone 14、iPhone 14 Plus、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Maxには、衛星通信用モジュールが内蔵されており、アプリを別途インストールする必要なく、Globalstarを使った衛星通信で緊急SOSと共に位置情報やメディカルIDを送ることが可能です。緊急SOSは公共の緊急サービスコールセンターに送信されるため、携帯電話の電波が届かないような人里離れた場所で遭難しても救助を要請することができます。
AppleがGlobalstarと提携してサービスを運用するために、4億5000万ドル(約630億円)を投資していることが報じられています。
Appleが人工衛星を使った緊急SOS機能に600億円を投資 - GIGAZINE
この衛星通信による緊急SOSサービスは、iPhone 14シリーズが発売された2022年9月時点ではアメリカとカナダでのみ提供されていました。そして、Appleは2022年末までにフランス・ドイツ・アイルランド・イギリスでも提供することを明らかにしました。
カリフォルニア州緊急サービス局の責任者であるマーク・ギラドウィッチ氏は「人工衛星経由で緊急SOSを提供することは、命を救う上で重要なブレイクスルーです。911プロバイダーと救急隊員をサポートする革新的な新しいソリューションを生み出すためにAppleが行っている重要な作業は、緊急事態の際により多くのカリフォルニア州民と一般市民を保護する上で大きな前進です」とコメントしています。
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