Why you should train your cat – and how to do it
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ノッティンガム・トレント大学で動物行動福祉学の客員研究員として働くローレン・フィンカ氏によると、犬とネコの人間との関わり方は全く異なるものでした。犬が牧畜や狩猟、警備などで人間の相棒として共に働いてきたのに対して、ネコはそのように飼育されてきたことはありません。しかし、過去の研究によると、ネコは犬と同じように「特定のタスクを実行するようにしつける」ことが可能です。
また、ネコを正しくしつけることができれば、一緒に暮らす人間だけでなく、ネコ自身にとっても多くのメリットがあるとフィンカ氏は指摘しています。例えば、里親募集を行うボランティアなどがネコを正しくしつけることができれば、ネコの探索行動や人間への肯定的な反応などを引き出すことが可能となり、これらは里親を見つける大きな助けになる可能性があります。この他、ネコを正しくしつけることで「車の移動に慣れさせる」「動物病院での診察に慣れさせる」といったことも可能になると、フィンカ氏は語りました。
ただし、ネコをしつける際に理解しておきたいのが「ネコは人間に対して生来の親和性を持って生まれてくるというわけではない」という点です。そのため、ネコが「人間は敵ではなく味方である」ということを理解できるように、生後2週間から人間の手で優しく温かく取り扱われる必要がある、とフィンカ氏。若いネコほど社会的つながりに注意を払っているという研究結果もあるため、小さなころに人間に大切に扱われた経験は非常に重要であるとのこと。また、子ネコの段階でおもちゃを使って遊ぶことに慣れさせることで、人間の手や足を攻撃しないようしつけることも重要です。
怒鳴ったり乱暴に扱ったり水スプレーを使ったりといった罰を与える行為はネコのストレスとなり、飼い主とネコの関係の質を損なうことにつながるため、常に肯定的な行為(おやつをあげる、ほめるなど)でしつけを行う必要があります。これはペットをしつける際の最も効果的な方法であるだけでなく、ペットの健康にも優れたしつけ方として知られています。
ごほうびベースのしつけはネコに自分でキャリーバッグに入る方法を教えたり、動物病院などでの診察時に静かに座って待っている方法を教えたりするのに役立ちます。人懐っこい食いしん坊なネコの場合、ハイタッチやお座りなどを教えることができるケースもあります。
ただし、ネコは犬よりも人間に注意を向けたり人間が求めることに意欲的に取り組んだりすることが難しいものです。特にネコが快適に感じない状況では、ネコをしつけようとしても失敗するケースが多いそうで、これは過去のネコのしつけに関する研究での高い失敗率にもつながっているとフィンカ氏は語っています。
そのため、ネコをしつける場合はネコが安心できる場所にいることが重要です。ネコがいつでも立ち去ることが可能で、しつけをいつでも終われるように準備し、そしてトレーニングが不快そうならすぐに休憩を与える必要があります。ネコがトレーニングに集中できていないことを示す兆候は、「顔をそむける」「鼻をなめる」「頭を振る」「足を上げる」「突然の毛づくろい」「猫背だったり緊張していたりするように見える」「しっぽをピクピクさせたり強く叩き付けたりする」「耳を平らに倒す」などです。
実際にフィンカ氏が推奨する「ネコをキャリーバッグに入れるためのトレーニング」は以下の5ステップで構成されます。
1:毛布の上に誘う
ネコが安全だと感じる場所で、毛布の上で落ち着くように教えてください。これを行うには、食べ物を使ってネコを毛布の上に誘導する必要があります。
ネコが好きな「おやつをあげる」「なでる」「言葉でほめる」などの報酬を用いて、ネコが毛布の上に長くいられるように試みます。「おやつをあげる」場合は鼻の高さであたえることでネコが座る姿勢になることを促し、徐々におやつの高さを下げていき、最終的に毛布の上で横になるよう仕向けます。
2:キャリーバッグを紹介する
ステップ1をマスターしたら、フタを外した状態のキャリーバッグの底に毛布を敷き、ステップ1と同じ要領でキャリーバッグを慣れさせます。
3:ゆっくり慎重に
ネコがキャリーバッグの中の毛布の上で休むようになったら、フタを取り付け、ステップ2を行うようにします。
4:ネコのペースに合わせる
ネコが喜んでキャリーバッグに入るようになり、様子も落ち着いているようなら、フタを徐々に閉じていきます。ネコがキャリーバッグから出ていく場合は、おやつなどの報酬を使ってネコを再びキャリーバッグの中へと誘導します。フタを閉めてからもう一度開けておやつをあげる、といった行為を繰り返し、ネコがフタを閉めた状態のキャリーバッグの中に慣れられるように仕向けます。フタを閉じる時間は最初は数秒だけでOKで、ゆっくり慣らしていくのがポイント。最終的には閉じたフタの隙間からおやつをあげられるようになるのが目標です。
5:ラストスパート
ネコがキャリーバッグの中にいる状態でドアを閉められるようになったら、その時間が長くなるようにトレーニングします。フタやキャリーバッグの隙間からおやつをあげ続け、おやつをあげる間隔を徐々に長くしていきます。トレーニングは毎回数分以内で済ませる必要があり、頻度も1日1回程度でOK。ステップ5が完了するまでに長ければ何週間もかかるそうですが、気長にネコとトレーニングを続けるのがポイントです。