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映画情報データベース「IMDb」のキャストに無関係な素人が登録される事案発生


ある映画のスタッフやキャストがどんな人なのか、その人が過去にどういった作品を手がけてきたのかを見るときに便利なのが映画情報データベース「IMDb」です。しかし、すべての情報が正確なわけではなく、まったく無関係な素人がキャスト欄に入っていたことが報告されています。

#16: The case of fake IMDb credits - by pb - Pea Bee
https://peabee.substack.com/p/16-the-case-of-fake-imdb-credits

Fake IMDB credits | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=32377063

ネットで気になることを探求しては記事にしているコラムサイト「Pea Bee」を運営するpb氏は、IMDbを何気なく見ていて、ボリウッドの売れっ子俳優であるランビール・カプール氏主演の2023年公開予定作品「Animal」に、「Subhankar Bagchi」という見慣れない人物がいることに気づきました。

Bagchi氏のことが気になったpb氏がフィルモグラフィーを確認すると、2021年~2023年公開の映画やミュージックビデオだけでも20本以上にクレジットされていたとのこと。


「さすがにあり得ない、IMDbは誰でもページを追加・編集できるから、荒らしなのでは?」と疑ったpb氏がBagchi氏について検索すると、Googleナレッジパネルに歌手として情報が表示されました。


Bagchi氏は確かにYouTubeにアカウントを持ち音楽をアップロードしていましたが、pb氏は「既存の音楽をコンテンツIDで引っかからないようミックスしたようなもの」と判断。Googleナレッジパネルはあくまでネット上の情報を集めて表示しているだけなので、こうして複数のSNSでそれっぽい情報を出すことにより、Googleを欺いているのだろうと考えました。


pb氏はその創意工夫に感心。とはいえ、Bagchi氏が1人で思いついた手法ではないだろうと考え、改めてIMDbでBagchi氏が出演しているという映画の他のキャストも確認したところ、同じようにしてプロフィールを登録している人物を複数発見しました。


その特徴は、みんな似たような「盛った経歴」になっていることで、経歴を「IssueWire」というプレスリリース配信サービスで配信していました。


pb氏は、こうした手口がYouTubeで拡散されていることも確認。


pb氏は、IMDbを含むこの種のプラットフォームでは掲載されている情報に対する審査が十分になされていないケースが多数あるため、情報を見る我々の側が適切に気をつける必要があると注意を呼びかけています。なお、ブログ「Pea Bee」では「狂った世界です、ご安全に!」と締めくくっています。


なお、「Pea Bee」にはBagchi氏を名乗る人物からコメントがついており、音楽は実際に作っていて、IMDbへのプロフィール登録もしたものの、映画に出演したかのような情報は登録していないと弁明しています。


記事作成時点でもBagchi氏のIMDbプロフィールページそのものは残っていますが、写真や出演作品などの情報はすべて削除されています。また、Babchi氏のYouTubeやInstagramのアカウントもすべてなくなっています。

ただし、Bagchi氏と同じ手法を使ったと見られる他の人々については、作品のキャスト欄からは消えているものの、IMDbのプロフィールページの写真などは残っているケースが確認できました。

IMDbの情報の不正確さについては、映画「レザボア・ドッグス」のミスター・ブロンド役などで知られる俳優のマイケル・マドセン氏が2015年にインタビューを受けた際、「エレベーターで乗り合わせた人から『義弟の書いた企画書があるんです』と言われて『面白そう』と思ったら次の瞬間、IMDbで自分が出演していることになっていたり、ポストプロダクションに参加していたり、そういうことです。若い人たちのために2日間撮影を手伝ったら名前が載って、わずか10分のあいだに75本の映画を撮影したかのようなことになるんです」と語り、IMDbに修正を求めても「公共サービスなので」と断られたというエピソードを明かしています。

Why Michael Madsen Hates IMDB | Cinemablend
https://www.cinemablend.com/new/Why-Michael-Madsen-Hates-IMDB-70936.html

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