中国の「火であぶっても溶けないアイス」が話題に
中国で売られている高級アイスクリームが、高温の室内やライターの火にさらされても溶けないという動画が公開され、「一体なにが入っているのか?」と消費者から不安の声が上がっています。中国の食品衛生当局は、調査に乗り出したことを発表しました。
China’s ‘Hermès of ice cream’ does not melt at high temperatures or when exposed to fire, so customers ask: what’s in it? | South China Morning Post
https://www.scmp.com/news/people-culture/trending-china/article/3184323/chinas-hermes-ice-cream-does-not-melt-high
Chinese ice cream brand goes viral after products don't melt even when blasted with a blowtorch • l!fe • The Philippine Star
https://philstarlife.com/living/175760-chinese-ice-cream-brand-doesnt-melt
2022年7月上旬に、あるインターネットユーザーがアイスクリームをライターで加熱し、溶けないことを示した短い動画を公開しました。
钟薛高雪糕烧不化?上海市市场监督管理局回应:已关注到此事 - YouTube
動画が始まると、アイスクリームバーがライターの火であぶられている様子が映ります。
アイスクリームがひっくり返されると、火であぶられていた裏面が黒く焦げています。この映像を取り上げた中国通信社によると、動画の投稿者は「アイスクリームが火に触れるとすぐに煙が上がり、食べ物が焦げるにおいがした」と話しているとのこと。
地面には焦げたかけらが落ちていました。
この動画に映っているのは、中国の高級アイスクリームブランド「钟薛高(Chicecream)」のアイスクリームです。1つ約20元(約410円)と高めで、プレミアム版は70元(約1400円)以上することもあるとのこと。
アイスに火を付ける動画が流行したきっかけは、同ブランドのアイスを温度31度の室内に50分以上放置しても溶けないという別の投稿です。中国のミニブログサイト・Weiboで5億回再生されたこの映像では、「钟薛高」のアイスが通常のアイスクリームのように溶けて液体になるのではなく、ドロドロの状態のままであることが確認されました。
室内に放置しても溶けないアイスの動画や、火をつけると焦げるアイスの動画をきっかけに、アイスを火にかざす動画が数多く投稿されました。
CTWANT 國際新聞 / 太神奇了! 冰淇淋用火燒也不會融化 - YouTube
中国の規制機関である上海市場監督管理局は、報道に対し「問題の映像は把握しており、この件について調査中です。専門機関による検査結果はより信頼できるはずです。肉眼では、アイスクリームが溶けていないように見えますが、この結論は科学的なデータによりきちんと検証されることでしょう」と述べました。
問題のアイスクリームを製造した钟薛高によると、同社は1個78gのアイスクリームに海藻抽出物のカラギーナンを0.032g添加していますが、国の基準は満たしているとのこと。カラギーナンはアイスクリームや飲料に広く用いられている食品添加物で、がんや健康被害の原因になるとの研究結果もありますが、動物実験や細胞を用いた実験でのものなので人体にも同様の影響があるかは議論の余地があるとされています。
溶けない高級アイスクリームの動画が注目された背景には、10元(約200円)以下で売られているアイスクリームがほとんどないほど物価が上昇したことに対する不満もあると、South China Morning Postは指摘しています。業界関係者は取材に対し、今夏はアイスクリームの生産および流通コストが高いため、値段も高価になってしまったと話しました。
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