メモ

Amazonが戦略を転換し3000億円を投じて不動産を大量に取得


2020年から2022年にかけて、Amazonが少なくとも22億ドル(約3000億円)を投じて土地や再開発予定の物件を購入し、保有する不動産の数を3倍に増やしていることが報じられています。

Amazon (AMZN) Builds Property Empire for Warehouses Despite Slowing Sales Growth - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/features/2022-06-13/amazon-builds-property-empire-for-warehouses-even-as-online-sales-growth-slows

ニュースサイト・Bloombergの報道によると、Amazonは倉庫について従来、「少数の開発業者が土地を買い、倉庫を建て、Amazonに貸す」という形態を取ってきましたが、ここ数年で、自らフルフィルメントセンター(配送センター)開発計画に参画するようになっており、不動産の入手にあたって、これまでパートナーだった業者と入札競争している事例があるとのこと。


そして、「郊外の広い空き地に倉庫を建てる戦略」から「都市に近いところにフルフィルメントセンターを建てる戦略」への変化が指摘されています。

Amazonの創業者であるジェフ・ベゾス氏は長らく不動産への大きな投資を避けてきましたが、素早く商品を届けなければ、消費者は身近にあるウォルマートなどに行ってしまうというニーズの変化から、戦略を見直すことになったとみられます。アナリストのジョン・ブラックレッジ氏は「購入した品物が2日後ではなく5時間後に届くのなら、もっとAmazonで買う人が増えるかもしれません」と述べています。


大きな投資としては、2021年に購入したテキサス州中部・ラウンドロックの193エーカー(78万平方メートル)の土地が挙げられます。この土地は、法律の制約が緩く、どんな用途にでも使えることから高い評価を受けていて、住宅建設業者や投資会社のブラックストーン、全米に倉庫を展開しているプロロジスなどのライバルに競り勝って手に入れたものです。

ラウンドロックはテキサス州の州都オースティンの都市圏に含まれており、Amazonは新型のフルフィルメントセンターを建設することで今後数年にわたってオースティン都市圏のニーズに対応する体制を構築できると考えられています。実際、新施設建設に向けた地元での説明会はすでに済んでおり、2022年の夏には開発計画を提出する予定になっていました。

しかし、2022年5月、Amazonはフルフィルメントセンター開発計画の無期限延期を自治体に申し出たとのこと。これは、パンデミックの落ち着きとともにオンラインショッピングの取扱量が減少し、施設を持て余す状態になってきているためだとみられます。ラウンドロック以外でも建設計画や拡張計画を延期したり、不要な土地の転貸が検討されたりしているそうです。


今後、Amazonが不動産の扱いをどうしていくのか、巨額の投資の落とし所をどうするのかは、Amazonの小売・物流部門チーフとして20年以上勤め、倉庫ネットワークをわずか数カ所から全米全域に拡大した功労者であり、物流テック・FlexportのCEOに転職することが発表されているデイブ・クラーク氏の後任人事とあわせて、Amazonの物流戦略の今後の注目ポイントとなりそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
日本の物流を支配するAmazonの最先端ロボット「Amazon Robotics」が導入されたアマゾン茨木フルフィルメントセンター潜入レポート - GIGAZINE

Amazonの棚をまるごと背負って運ぶ自律走行ロボットを巨大物流システム「Amazon Robotics」の現場で見てきました - GIGAZINE

「Amazon倉庫の食堂」では何を食べることができるのか?カレー1皿200円のアマゾン茨木フルフィルメントセンター食堂に行ってみた - GIGAZINE

ロボットが人に取って代わり働くAmazon最新の物流拠点、その労働環境は一体どんなものなのか? - GIGAZINE

in メモ, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.