ロシアの老舗セキュリティ企業・カスペルスキーを「国家安全保障上の受け入れがたい脅威」に連邦通信委員会が認定
アメリカの連邦通信委員会(FCC)が2022年3月25日付けで、ロシアの大手セキュリティ企業であるカスペルスキーを「アメリカの国家安全保障に容認できないリスクをもたらすと見なされる通信機器およびサービスのリスト(セキュリティリスクリスト)」に追加したと発表しました。
List of Equipment and Services Covered By Section 2 of The Secure Networks Act | Federal Communications Commission
https://www.fcc.gov/supplychain/coveredlist
Carr Welcomes Expansion of FCC’s National Security Blacklist
(PDFファイル)https://docs.fcc.gov/public/attachments/DOC-381739A1.pdf
Kaspersky Named First Russian Company on Security Risk List - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-03-25/fcc-calls-kaspersky-china-telecom-china-mobile-security-risks
セキュリティリスクリストにセキュリティ企業が掲載されたのは、カスペルスキーが初めての事例。セキュリティリスクリストに掲載された企業のサービスや製品は、FCCが提供している年間80億ドル(約9000億円)のユニバーサルサービス基金で購入することができなくなります。
また、カスペルスキーと同時に中国の通信事業者であるChina MobileとChina Telecomもセキュリティリスクリストに掲載されました。FCCのブレンデン・カー委員は「国家安全保障機関が、China MobileとChina Telecomがリストに掲載される基準を満たしているという私の判断に同意してくれたことをうれしく思っています。カスペルスキーも、China MobileとChina Telecomも、スパイ行為やアメリカの国益を損なおうとする中国やロシアの国家的支援を受けた組織であり、そういった組織による脅威から私たちのネットワークを保護するために、このセキュリティリスクリストは役立つことでしょう」と語っています。
FCCのジェシカ・ローゼンウォーセル委員長は「(カスペルスキーのリスト掲載は)国家安全保障上の脅威に対してアメリカの通信ネットワークを強化するというFCCの取り組みの一環です」と述べました。
カスペルスキーは声明で「FCCがセキュリティリスクリストに私たちの名前を掲載する決定を下したことに失望しています。この決定は、カスペルスキーの技術的評価に基づくものではなく、政治的な理由で行われています。カスペルスキーは、引き続きパートナーと顧客に製品の品質と完全性を保証します」と述べました。
なお、2021年には、中国企業のHuaweiとZTEもFCCのセキュリティリスクリストに掲載されています。
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