生き物

猫の気持ちを読み取るのに役立つ4つのアドバイス


猫を飼ったことがある人の中には、ごろごろと喉を鳴らしていた次の瞬間に怒り出したり、エサを欲しがっていたのにあげると見向きもしなかったりと、猫の気まぐれに振り回された経験がある人も多いはず。猫が幸福を感じている時や、「もうなでるのをやめて欲しい」と思っている時を知るヒントとなる猫のしぐさについて、海外メディアのInverseが4人の専門家に取材した結果をまとめています。

What are cats thinking? Experts explain 4 communication signals
https://www.inverse.com/science/how-do-you-know-what-your-cat-is-thinking

オレゴン州立大学の獣医師であるケリー・ヒックス氏によると、猫は主に「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」の4つをコミュニケーションに使っているとのこと。その中で、人間が最も猫とのコミュニケーションに使いやすいのが視覚です。Inverseの取材を受けたアメリカ動物行動学者協会の認定獣医師のキャサリン・パンクラッツ氏は、「視覚信号や姿勢、つまりボディランゲージは猫との距離が近くても遠くても使えるコミュニケーション信号です」と話しています。


猫が発する視覚信号をキャッチする際には、「猫の体の姿勢」「耳」「目」「尻尾」が手がかりになります。猫の問題行動を減らしてシェルターへの引き渡しを減らす活動をしているCat Behavior Solutionsのモリー・デボス氏によると、特に猫の「目」と「尻尾」は最も多くコミュニケーションに使われる体の部位とのこと。例えば、猫があいさつをする時は尻尾をピンと上げます。

また、猫のしつけなどに関するコンサルタントのマイケル・デルガード氏は、「人は猫のストレスのサインを自分の都合よく解釈しがちなので、猫が快適な時のサインを知っておくのが大切です」と話しました。

こうした専門家らのアドバイスを元に、Inverseは猫の代表的な感情表現を4つに分類し、それぞれを見分けるポイントを次の通りまとめました。

◆猫が幸せな時
猫が幸せな時に見せる典型的なサインは次の通りです。
・耳がまっすぐ前を向いている
・ゆっくりとまばたきする
・前足でこねるような動作をする
・しっぽをゆっくり振る
・ごろごろと鳴く
・よだれを出す

また、猫がリラックスしている時はひげが前向きになり、逆に不安や恐怖を感じている時にはひげが顔の方を向くので、ひげの向きも猫の満足感を推測する際のポイントになるそうです。


◆猫が怒っている時
猫が怒っている時にはうなり声や「シャー」という鳴き声を上げるほか、以下のようなサインを発します。
・耳が後ろ向きになる
・たたく
・隠れる
・尻尾を速く振る

人間同士ではアイコンタクトが信頼関係の表れなのに対し、猫にとっては攻撃や警戒の合図になる場合があります。また、猫は満足げになでられていた次の瞬間には手をひっかいたりしますが、そうした気まぐれを察知するには尻尾に注目するといいとのこと。

デボス氏は、「猫はイライラした時や、やめてほしい時に尻尾を振ったりひねったりします。ですから、尻尾を見れば猫をなでるのをやめるタイミングが分かります」と話しました。デボス氏によると、猫がイライラしている時は物理的に距離を置いて、一匹になれる時間と空間をあげるのがベストとのことです。


◆猫が怖がっている時
猫が恐れを感じているサインは以下の通り。
・姿勢を低くしたり、体をこわばらせたりする
・口を開けたり、息を荒らげたりする
・目が血走る
・耳を後ろか横にそらす
・尻尾を巻いているか、または振っている

デボス氏は、「もしおうちの猫が尻尾を下げて歩いていたら、そこに何か嫌な物があるか何かを警戒しているサインです。また人間と同じように、シャイな猫はけんか腰だと思われないように目線を合わせないようにすることがあります」とコメントしました。


◆猫の体調が悪い時
ヒックス氏によると、体調不良などで猫がストレスを感じている時は他者と接触するのを避けるとのこと。そのため、デルガード氏は「猫がベッドの下から出てこない時は何か身の危険を感じている時か、何かがおかしいというサインです」と述べて、獣医師の診察を受けさせることを勧めました。

ただし、身を隠していないからといって体調不良ではないというわけではないと、専門家は警鐘を鳴らしています。なぜなら、猫は個性が強い動物なので、ある猫にとっての幸せのサインが別の猫にとっては苦痛のサインになるということもあるし、その逆もあるからです。

そうなると、結局猫の状態を知るための手がかりがないように思えますが、特に病気やストレスの兆候は餌を食べる量や遊びなどへの反応、その他の行動の変化として現れるとのこと。そのため、デルガード氏は「ペットのいつも通りの行動に変化が見られた時は、何か問題が発生したのかもしれません」と話しました。

専門家によると、猫が発したサインの意味が分からない時はまず猫と距離を置いてから経緯を思い出して、何がそのしぐさや行動の元になったのかを考えるといいそうです。そして、その原因が何らかの問題の兆候だと思われる時はすぐに獣医師に判断を仰ぐべきだと、専門家らはアドバイスしています。

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in 生き物, Posted by log1l_ks

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