ダークマターはほかの物質をダークマターに変えて増殖する物質ではないかとの研究結果
光学的に観測できないという特性を持つダークマター(暗黒物質)は、その存在や起源を巡ってさまざまな議論が繰り広げられています。その発生メカニズムに関して、新たに「暗黒物質が通常の物質を暗黒物質に変える」という説が提唱されました。
Dark Matter from Exponential Growth - PhysRevLett.127.191802
(PDFファイル)https://journals.aps.org/prl/pdf/10.1103/PhysRevLett.127.191802
Dark matter may spawn more of itself from ordinary matter, like a cosmic ice-9 | Live Science
https://www.livescience.com/dark-matter-multiplies-cosmic-ice-9
オスロ大学のトルステン・ブリングマン氏らが唱えた説は、暗黒物質は通常の物質同士が対消滅を起こしたことにより生まれたもので、その後暗黒物質が通常の物質と対消滅を起こすことで暗黒物質が指数関数的に増えていったというもの。
ブリングマン氏らが考案したモデルでは、宇宙誕生初期は通常の物質の量が暗黒物質の量を上回っていたものの、暗黒物質の粒子が別の粒子と接触した時に対消滅を起こし、既存のモデルと比べて爆発的に増えていったことが示唆されるとのこと。このモデルは、現在暗黒物質と通常の物質の比率が6:1であることの確かな説明にもなるとブリングマン氏らは述べています。
宇宙全体の物質が暗黒物質となっていない点について、共著者のジョシュア・ルーダーマン氏は「このモデルは非常に高温の場合にのみ機能すると考えられます。宇宙が冷えてくると暗黒物質の増加は落ち着き、量が一定になります」と述べました。暗黒物質が指数関数的に増えていったという今回のモデルは、暗黒物質についての数ある説の1つに過ぎず、ルーダーマン氏は「今のところ答えよりも疑問点の方が多い」と語っています。
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in サイエンス, Posted by log1p_kr
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