AIが何に使われているか100兆トークン分の使用実態レポートはこんな感じ

主要AIモデルを利用できるプラットフォームの「OpenRouter」の100兆トークン分のデータをもとに、それぞれのAIモデルがどのような用途に用いられたか、地理や時間による利用ケースの違いはあるのか、価格設定や新モデルリリースによる外部要因はどのように影響を与えたかといった実態を調査したレポートが公開されました。
State of AI | OpenRouter
https://openrouter.ai/state-of-ai
まず、直近1年のトークンをソース別に分類した図が以下です。横軸は時間で途中に主要なオープンモデルのリリース時期が示されています。縦軸はトークン全体に占める割合で、多くを占める濃い青色はクローズドモデル。その次が世界のオープンモデル。一番下の水色は中国製オープンモデルを示しています。こうしてみると、トータルでオープンモデルが30%を超えた時期はほとんどないのがわかります。

縦軸をトークン総数で示したグラフが以下。2024年はトータルで週間5000億トークンほどでしたが、2025年2月に週間1兆トークンを突破。9月には週間5兆トークンを突破し、直近では週間7兆トークンに達しています。

クローズドモデルは信頼性とパフォーマンスを認められて利用され、コスト効率や透明性、カスタマイズ性を求める人はオープンモデルが選択肢に入ってくる傾向があるとのことです。
OpenRouterで2024年11月から2025年11月までに全モデルを対象に使用されたトークンを分析したとき、オープンモデルで最も使用されているのはDeepSeekで、合計トークン数は14兆3700億トークンでした。
しかし、人気の15モデルの動向を示したグラフで見てみると、青色で示されたDeepSeek系統の人気が2025年夏を境に下がってきているのがわかります。これは、能力や効率性に優れた新規モデルの参入があったためだとみられます。2025年下旬には、単一モデルでオープンモデルのトークンのうち25%を占めるような事態は起きなくなっています。

以下はモデルのサイズ別人気を示したグラフです。緑はパラメーター数が150億未満の小型モデル、赤はパラメーター数が150億~750億の中型モデル、青はパラメーター数が700億以上の大型モデルを指します。この1年間で小型モデルが支持を失い、中型モデルが台頭していることがわかります。

オープンモデルがどういった用途に使用されているかを示したグラフが以下。年間通じて多いのは黄色で示された「ロールプレイ」で、続いて「プログラミング(緑)」「科学(紫)」「技術(ピンク)」あたりが人気です。この傾向は、オープンモデルはコンテンツフィルターの制約が少なく、創造的な用途で使いやすいという理由があるからのようです。

AIモデルの分け方の1つに、「時間はかかるが深い思考を行う推論モデルかどうか」という基準があります。使用トークン数で見ると、推論モデルは1年間かけてぐんぐんと人気を伸ばし、2025年11月時点で非推論モデルを上回り過半数を占めているとのこと。

推論モデルの1番人気はxAIのGrok Code Fast 1。続いてGoogleのGemini 2.5 ProとGemini 2.5 Flash、そしてxAIのGrok 4 Fast、OpenAIのgpt-oss-120bと続きます。

使用地域別の割合は北米がもっとも高く、続いてアジア、そしてヨーロッパ、その他となりました。国でいうと、アメリカが47.17%で圧倒的1位、2位は9.21%でシンガポール、3位は7.51%でドイツ。中国は6.01%で4位、日本は1.77%で9位です。

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in AI, Posted by logc_nt
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