プラスチックごみをスキャンして分別可能かを瞬時に判別できる「Plastic Scanner」が登場
ゴミを分別する際、特に見極めが難しいのがプラスチック製のごみです。一口にプラスチックと言っても、その種類はポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)などさまざまで、素材によって焼却処理やリサイクルが可能かどうかは異なります。そんなプラスチックごみにサッとかざすだけで素材を分析することができる「Plastic Scanner」が開発されました。
Plastic Scanner. | Plastic Scanner
https://plasticscanner.com/
Plastic Scannerがどんなアイテムなのかは以下のムービーを見るとよくわかります。
Introducing the plastic scanner - YouTube
プラスチックは安価で加工がしやすく丈夫であることから、さまざまな製品によく使われています。しかし、基本的に微生物によって分解されることがないため、再利用するか焼却するかしなければなりません。
また、プラスチックにもさまざまな種類が存在し、素材によってリサイクルが可能かどうかが分かれます。一般的なプラスチック製品には、以下のようにリサイクル可能であることを示すマークがついていますが……
しかし、中にはマークがついていないプラスチックごみも存在します。
マークがついていないと、ごみの分別も非常に難しくなります。
そんな時、Plastic Scannerを使えば、プラスチックごみを簡単に仕分けることができます。
Plastic Scannerは近赤外線分光法を利用しており、波長850nm~1650nmの赤外線光をプラスチックごみに照射し、その反射光を読み取ることで、プラスチックごみの素材を非破壊・非接触で分析します。
Plastic Scannerはスマートフォンサイズの手持ち型がリリースされており、将来的には工場のラインで使えるタイプのものも登場予定。
Plastic Scannerはオープンソースで開発されており、Wikifactoryで回路図やプログラムが公開されています。また自分で組み立てるためのキットがリリースされる予定です。
このPlastic Scannerは、デルフト工科大学の大学院生であるジェリー・ド=ヴォス氏が修士論文の一環で進めた研究プロジェクトで開発したもの。ド=ヴォス氏は、見事10点中9点という高評価を得て修士課程を終えることができましたが、プロジェクトは終了せずにこのままPlastic Scannerの開発を進めていくつもりだと述べました。
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