無料で超簡単に小説をかなり細かく推敲してくれるソフト「Novel Supporter」の最新機能「時系列ごとの文章分析」を使ってみた
小説を書いてみた後の推敲(すいこう)では、誤字脱字などの間違いを見つけることができても、読みやすさや文章のクセといった感覚的なことは直すのが難しくなりがち。そのような実は気になる文章の傾向などを総ざらいしてくれる無料ソフト「Novel Supporter」の最新版1.7.0が2021年10月に公開されたので、新しく追加された機能を試してみました。
小説推敲補助ソフト「Novel Supporter」 - クロノス・クラウン -
https://crocro.com/pc/soft/novel_supporter/
「Novel Supporter」は制作者のホームページから無料でダウンロードできます。サイトにアクセスし、「ダウンロード novel_supporter_1.7.0.7z」をクリック。
「ファイルを保存する」を選んで「OK」
ダウンロードが終わったらファイルを解凍し、「NovelSupporter.exe」をクリックしてソフトを起動。
ソフトが起動したら、左上の「ファイル」メニューから「ファイルを開く」をクリック。
テキストファイルをソフトに取り込むことで分析が可能になります。今回は青空文庫の走れメロスを使ってみました。ファイルを選択したら「開く」をクリック。
2分割された左側にテキストファイルの内容が表示されます。
左上のプルダウンメニューから分析内容を選んで「全て実行」もしくは2つ以上の改行で区切られた段落ごとの「ブロック実行」、一部だけ選択して「選択範囲実行」をクリックすることで、右側のエリアに分析結果が表示されます。例えば、「単語近傍探索」を選んで「実行」すると、同じ単語が文章の近い位置でどれくらい頻繁に使われているかが一目でわかるようになります。
また、指示語は多発しすぎると、どれが何を示しているか追うのが難しくて読みにくくなってしまうので、「こそあど確認」で指示語が集中していないかチェックできます。
書いている時は気づきにくい読みにくさの部分では、画数の高い漢字が集まっていると見た感じの印象が読みづらくなることがあるので、「画数ヒートマップ」で可視化することで超簡単に分析可能。
2021年10月の最新版1.7.0で追加された「時系列分析」では、文章全体の傾向で偏りや大きな変化がないかをグラフで見ることができます。長い文章を何日もかけて書いていると、後半に従ってクセが強くなったり文章の書き方が変化してしまったりといったことも起きてしまうので、グラフで一目でわかるようになるためかなり便利。
時系列分析は、文章に漢字が含まれる密度を見られる「漢字含有率」や「文章長」「段落長」、文章ごとの「台詞(セリフ)比率」や「画数」の分布を、文章全体で偏りがないか横向きに見ることができます。「走れメロス」では、漢字含有率や文章の長さなどがほとんど一定で書かれていたのに対し、セリフの比率はブロックごとに大きく異なって見えました。
全ての分析結果が「良い文章」「悪い文章」ということを示すわけではありませんが、自分で読むだけでは気づきにくい細かい分析を出してくれるため、とりあえずテキストを分析にかけてみると気づける点もあって非常に便利。また、「こそあど確認」や重複表現の確認などは、小説に限らずレポートや論文などの堅い文章でも役立つはずです。
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