サイエンス

地球に危機を及ぼす小惑星を吹っ飛ばす防衛兵器「PI」構想


カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の研究者グループが「PI(Pulverize It)」と呼ばれる新たな惑星防衛法を考案していることがわかりました。「PI」は、学術誌「Advances in Space Research」の掲載された論文内に登場しています。

Planetary Defense Is Good--but Is Planetary Offense Better? - Scientific American
https://www.scientificamerican.com/article/planetary-defense-is-good-but-is-planetary-offense-better/

PI-Terminal Planetary Defense
https://www.deepspace.ucsb.edu/projects/pi-terminal-planetary-defense

「PI」は、具体的には地球を脅かす可能性のある大型小惑星の進路上に「ペネトレーター・ロッド」を打ち出して小惑星を粉砕し、何百もの小さな破片に粉砕しようという考え。


ロッドは長さが1.8m~3mほどで、爆発物を内蔵。研究者らは「小惑星が大気圏に到達するずっと以前に、比較的無害な破片へと粉砕することができる」と述べています。

細かくなったとはいえ、破片は消えてしまうわけではないので地球に降り注ぐことになります。これについては、2013年2月にロシアのチェリャビンスク州に落下した隕石の衝撃、広島で用いられた原爆30個分の威力に比べるとごくわずかなものだとのこと。

ロシアに墜落して激突した隕石のとんでもない瞬間を撮影したムービーまとめ - GIGAZINE


USCBの物理学者フィリップ・ルービン氏とアレクサンダー・コーエン氏は、「大きな小惑星1つ」と「小さな小惑星数百」との違いを、「500kgあるグランドピアノを1kmの高さから頭上に落とすのと、500kgの発泡スチロールのボールを1kmの高さから頭上に落とすのに似ています」とコメントしています。

NASAは地球の近傍にある直径140m以上の小惑星8000個以上の動きを追跡していますが、天文学者が隕石の飛来を予測していなかったことがチェリャビンスクの隕石による被害の理由の1つとして挙げられるとのこと。

「PI」の利点の1つは、理論的には小惑星が大気圏に到達するまでの数分間で、ロッドを満載したロケットを発射できることだと研究者は述べています。

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in サイエンス, Posted by logc_nt

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