AppleがNFCチップ関連でEUの独占禁止法違反の罪に問われる可能性、Apple Payのような非接触決済が他サービスにも開放か
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Appleは非接触型の決済サービスである「Apple Pay」を提供しており、iPhoneやApple WatchではNFCを用いてデータのやり取りを行います。しかし、このNFCに関する技術で「AppleはEUの独占禁止法違反の罪に問われる可能性がある」とロイター通信が報じました。
EXCLUSIVE Apple to face EU antitrust charge over NFC chip - sources | Reuters
https://www.reuters.com/technology/exclusive-eu-antitrust-regulators-charge-apple-over-its-nfc-chip-tech-sources-2021-10-06/
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Report: EU to file NFC antitrust charges against Apple Pay • The Register
https://www.theregister.com/2021/10/06/eu_apple_nfc/
Report: EU to charge Apple with anticompetitive behavior over Apple Pay and iPhone's NFC chip - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2021/10/06/apple-pay-iphone-nfc-antitrust/
Apple to face EU antitrust charge over NFC chip - Hardware - iTnews
https://www.itnews.com.au/news/apple-to-face-eu-antitrust-charge-over-nfc-chip-570896
EUの政策執行機関である欧州委員会で独占禁止法の監視人を務めるマルグレーテ・ベステアー氏は、2020年6月にAppleの決済サービスであるApple Payの調査を開始しました。当初、ベステアー氏はApple Payの「非接触型の支払いを可能にするNFCチップ」「Apple Payをアプリやウェブサイトで使用できるようにする契約条件」「ライバル決済システムへのアクセスを拒否したこと」という3つを懸念していたのですが、最終的に「Apple PayからのみアクセスできるNFCチップ」に焦点を当てて調査を進めているようです。
情報筋によると、欧州委員会はAppleが犯した反競争的行為の概要を説明するための文書を作成中で、2022年にはAppleに送付する可能性があるとのこと。この文書は、一般的に「規制当局が反競争的であるとみなした慣行」に対して送付するものであり、つまりはAppleがNFCチップ関連でEUの独占禁止法違反の罪に問われる可能性があるというわけです。
ロイター通信は、Apple PayからのみアクセスできるNFCチップが独占禁止法違反の罪に問われることとなれば、NFCチップが他社の決済サービスにも開放されることとなり、より多くの決済サービスがApple Payのような「非接触」の支払いを行えるようになる可能性があると述べています。
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NFCを用いた「非接触」の支払いは新型コロナウイルスのパンデミックにより人気が高まっています。一部のアナリストは、Apple Payの幅広いリーチとウェブサイト上でも店内でも利用できるという点を挙げ、「Apple Payはライバルサービスよりも競争力が高い」と指摘しています。
なお、Apple PayはEU以外の規制当局からも監視を受けています。例えば、韓国ではAppleを含む主要なアプリストア運営者に対して「ソフトウェア開発者に支払いシステムの使用を強制すること」を禁止する法案を承認しています。他にも、ドイツは2019年にAppleに対してモバイル決済システムをライバル企業にリーズナブルな価格で開放することを要求する法律を可決しています。
欧州委員会はこれまでAppleに対して3件の訴訟を起こしていますが、ロイター通信からのコメント要請には応じていません。なお、欧州委員会はEUの規則に違反したことを理由に、Appleに対して2020年の売上の最大10%を罰金として課すことが可能。この金額は274億ドル(約3兆円)にも達します。
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