ハードウェア

中国企業がUV露光装置を使わずに光チップの製造に成功、ASML製装置を輸入できない中国半導体業界にとって光明となるか


中国企業のPRINANOが独自の半導体製造装置を用いて光チップウエハーの製造に成功したことを発表しました。PRINANOは「深紫外線(DUV)露光装置を使わずにコストを10分の1に抑えて製造できた」とアピールしており、ASML製の半導体製造装置の入手が困難となっている中国において大きな前進だとして注目を集めています。

Chinese start-up claims nanoimprint tech can mass-produce optical chips without ASML gear | South China Morning Post
https://www.scmp.com/tech/tech-war/article/3356349/chinese-start-claims-nanoimprint-tech-can-mass-produce-optical-chips-without-asml-gear

Chinese startup claims photonic chip production without DUV lithography, says nanoimprint process cuts costs by 90% — 8-inch wafers produced without conventional optical lithography | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/semiconductors/chinese-startup-claims-photonic-chip-production-without-duv-lithography-says-nanoimprint-process-cuts-costs-by-90-percent-8-inch-wafers-produced-without-conventional-optical-lithography

PRINANOはナノインプリントリソグラフィ(NIL)と呼ばれる半導体製造技術の研究開発を行っている企業です。2025年9月には中国国内の顧客に対して半導体製造装置を納入したことを報告しており、研究が理論段階ではなく実際の製品を製造する段階まで進んでいることが明らかになっていました。


PRINANOは2026年6月5日にSNSのWeChat(微信)で「NILを用いて8インチの光チップウエハーを製造することに成功した」と発表。さらに、「光チップをDUV露光装置を使わずに製造できた。コストは約10分の1に抑えられ、光通信やLiDARで使われる光チップがウエハーレベルで製造可能となった」と述べ、光チップ製造におけるDUV露光装置に対する優位性をアピールしました。

一般的に、微細化された半導体の製造にはDUV露光装置やEUV露光装置が必要とされています。最先端半導体製造装置の市場はオランダに拠点を置くASMLが大部分を支配している状況ですが、オランダ政府はアメリカ政府の要請を受けてASML製品の中国向け販売を規制しています。このため、中国では半導体製造装置の入手が困難となっており、PRINANOの「DUV露光装置なしでチップを製造できた」という発表は中国企業にとって光明となる可能性があります。

PRINANOは光チップの製造に使用した「PL-AS vacuum air-cushion nanoimprint lithography」について「ウエハー製造用に設計されており、10nm以下の分解能を実現している」とアピールしています。しかし、生産量や歩留まりの検証データは開示されておらず、商業的な量産開始までにどれほどの期間を要するのかも不透明です。半導体市場の分析を行っているSemiAnalysisのアナリストは「PRINANOのNILがASMLの優位性を揺るがす可能性は低い。NILは安価かもしれないが、真のコスト優位性はスループット・テンプレート製造・歩留まり・プロセス統合に依存しており、最先端チップ製造においてNILがEUV露光装置に取って代わる可能性は低い」と指摘しています。


なお、NILについて研究しているのはPRINANOだけではありません。例えばキヤノンと大日本印刷とキオクシアはNILの共同開発を進めており、キオクシアの四日市工場でNILをメモリ製造に用いるための検証が進んでいます。

ナノインプリントが開く、近未来デジタル社会のとびら | キヤノングローバル
https://global.canon/ja/business/group/industry/2018.html


また、中国とUV露光技術を巡っては「ASMLの元エンジニアと協力してEUV露光装置のリバースエンジニアリングに成功、試作機が既に完成している」という報道もあります。

中国がASMLの元エンジニアと協力してEUVリソグラフィー装置のリバースエンジニアリングに成功したとの報道、試作機が既に完成しており高性能半導体の自国生産間近か - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ASMLとTSMCは中国の台湾侵攻に備えて半導体製造装置に「リモートで無効化する機能」を搭載しているとの指摘 - GIGAZINE

半導体露光装置メーカー・ASMLにアメリカが中国への販売中止を要請 - GIGAZINE

半導体露光装置メーカー・ASMLが中国の従業員にデータを悪用されていたことが判明 - GIGAZINE

NVIDIAチップの100倍の速度向上を実現する「全光チップLightGen」を中国が開発 - GIGAZINE

中華メモリ企業「CXMT」がDDR5のPC向けメモリを製造中との報道、ただし安価ではない - GIGAZINE

NVIDIAではなくHuaweiの最先端チップ「Ascend 910C」でDeepSeek-V4-Proの事後学習に成功したことが明らかに、中国のAI自立が前進 - GIGAZINE

RTX 3060と同等性能の中国製グラボ「LX 7G100」が登場、各種AAAゲームをプレイ可能でVRAM容量は12GB - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article A Chinese company has successfully manuf….