ネットサービス

DAZNが取得したスポーツの違法配信に関する差し止め命令にGoogle・Cloudflare・Ciscoが異議申し立てをするも敗訴


スポーツライブ配信サービスの「DAZN」は2025年4月にベルギーのインターネットサービスプロバイダ(ISP)と連携して違法なストリーミングサービスとIPTVプロバイダに対する大規模なキャンペーンを実施し、結果としてベルギーで海賊版ブロッキングに従わなかった場合に主要なISPに罰金を科す遮断命令が下されました。これに対しGoogle・Cloudflare・Ciscoが異議を申し立てましたが、ブリュッセルのフランス語圏ビジネス裁判所の裁判長は訴えを棄却しました。

Court Upholds Belgian Pirate DNS Blocking Order, OpenDNS Exit Looms * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/court-upholds-belgian-pirate-dns-blocking-order-opendns-exit-looms/

ベルギーでは2024年4月、経済省に「オンライン著作権侵害」担当部署を設置。2024年6月1日から「明白かつ重大な侵害行為を終結させるための暫定措置」として、オンラインで著作権および著作隣接権、またはオンラインデータベース作成者の権利が侵害された場合に、ブリュッセル商事裁判所の長官に緊急措置を申し立てることが可能になりました。裁判長はISPと協力して、サイトのブロックやミラーサイトの特定など判決の適用方法を決定する権限を実行することができます。

DAZNとサッカー放送局の「12th Player」は2025年3月下旬からベルギーのISPと連携し、100以上の違法ストリーミングサービスとIPTVプロバイダに対する大規模なキャンペーンを開始しました。ブリュッセル商事裁判所はDAZNと12th Playerに対し重要な追加要素によって強化されたダイナミックブロッキングを行うことを許可し、ベルギー国内から海賊版スポーツ配信サイトへアクセスできないようにする暫定措置を命じました。


さらに2025年4月には、ベルギーのオンライン著作権侵害における新体制下で最初に発令された遮断命令として、パブリックDNSリゾルバの運営会社であるCloudflare・Google・Ciscoに対し、130以上のドメインにアクセスできないようにする措置を義務付けました。命令に従わない場合には1日あたり10万ユーロ(約1800万円)の罰金を科すと定められています。

CiscoはベルギーからOpenDNSサービスを完全に撤退させる形で対応。GoogleはDNSクエリを単純に拒否する形で、GoogleのパブリックDNSリゾルバ経由では対象となった海賊版サイトにアクセスできなくなりました。Cloudflareはブロック命令が出されている国で対象ドメインにアクセスしようとするCloudflare DNSユーザーに対し、エラーページにリダイレクトされるように対応しています。


3社とも異なる対応で裁判所命令に従った上で、3社ともがこの命令に異議を唱えました。

しかし、2026年8月20日ブリュッセルのフランス語圏商事裁判所の裁判長は、Cloudflare・Google・Ciscoによる訴えの核心部分を棄却しました。2025年の命令の一部を取り消しつつも、DNSブロッキング義務そのものは維持する形になります。


判決では、代替DNSリゾルバがドメインをブロックすることは技術的に可能であり、企業側はコストが不均衡であることを証明できなかったと裁判所は判断しています。判決文には「主要な代替DNS解決サービスプロバイダーに遮断措置を課すことは、ISPに課された遮断命令の有効性を強化するのに役立ち、これは適切な措置とみなされます。これらの措置を組み合わせることで、違法コンテンツへのアクセスを求めるユーザーを抑止することを目的としています」と記載されています。

一方で、海賊版ドメインを警告ページへリダイレクトするDNSリゾルバーに対する義務は撤廃されました。また、違反に対する罰則も緩和され、1日あたり10万ユーロという罰金は変わらないものの、罰金はDAZNの試合が生中継される日のみ適用され、企業ごとの上限は2000万ユーロ(約36億円)となりました。加えて、「例外的な位置情報判定エラー」によるブロック不足には、罰金は適用されないことなども明確になりました。

2026年9月7日には、新しい裁判判断がブロック措置において実際にどのように機能するかについて、経済省の対応部署が明らかにしています。この命令はベルギーのサッカーリーグの試合を対象としており、シーズンが続く間、DAZNは週に1回・最大100の新規ドメインまでブロックリストを更新することができます。DAZNは少なくとも7営業日前にどの試合日のブロックリストを更新したいかを該当部署に伝え、その後DNSリゾルバ担当者は5営業日以内に変更を実装します。

Ciscoは公聴会の中で、一度撤退してから復活していたベルギーでのOpenDNSを再び撤退させることを当局に伝えました。Ciscoは「OpenDNSの世界規模の公開DNSシステムでは、今回の命令で要求されているような選択的、地理的位置情報に基づく動的なブロッキングの実装を可能にしていない」と述べた上で、そうしたブロッキングを有効にするとサービスのパフォーマンスや安定性、セキュリティが損なわれると主張。その上で、ベルギーからの撤退は唯一技術的に実行可能な具体的措置だとCiscoは付け加えています。

記事作成時点では、Ciscoは判決に対して控訴する意向を示しています。TorrentFreakの取材に対しCiscoは質問のほとんどに答えず、「OpenDNSは現在もベルギーで利用可能です」とのみ回答したそうです。

・関連記事
「海賊版対策は十分な成果を上げていない」とEUの委託調査で指摘される、目指すべきは「30分以内」のリアルタイムブロック - GIGAZINE

Googleが欧州委員会に「海賊版サイトをDNSリゾルバ・VPN・共有IPアドレスでブロックすると重大な損害をもたらす」と提言 - GIGAZINE

Cloudflareが26億円相当の罰金判決を不服として控訴、イタリアの海賊版シールドを「オープンインターネットを危険にさらす」と批判 - GIGAZINE

ワールドカップの違法配信を取り締まる「オペレーション・オフサイド」は成功を収めたがドメイン押収の限界を浮き彫りにしたと映画協会が指摘 - GIGAZINE

フランスの海賊版訴訟でGoogle・Cloudflare・Ciscoの主張が5連続却下 - GIGAZINE

映画やテレビ番組の海賊版へのアクセスは2023年で1410億件超、日本は改善傾向 - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1e_dh

You can read the machine translated English article Google, Cloudflare, and Cisco appealed a….