サイエンス

HIVワクチンの臨床試験をモデルナが開始


製薬会社のモデルナが、2021年1月に開発を明らかにしたmRNAベースのHIVワクチンの臨床試験を開始することが分かりました。モデルナは並行してインフルエンザワクチンの開発も進めており、HIVワクチンに先駆けて2021年7月から臨床試験を開始しています。

Moderna Is About to Begin Trials for HIV Vaccine Based on COVID-19 Research | them.
https://www.them.us/story/moderna-begins-hiv-vaccine-trials-covid-19-research


これは、国立衛生研究所のデータベースに臨床試験の予定が掲載されたことで明らかになりました。情報によると、臨床試験の対象者はHIV陰性の18歳~50歳の56人。2021年8月19日(木)開始で、2023年春に終了予定です。

モデルナは2021年1月にHIVウイルスやインフルエンザウイルス、ニパウイルスなどのワクチン開発を表明していました。

すでにHIVワクチンは2021年の早いうちに、少数を対象に安全性確認を行う第Ⅰ相試験をクリアしており、今後、ワクチンの全体的な有効性を確認する第Ⅱ相試験、「PreP」と呼ばれる曝露(ばくろ)前予防などの他の予防治療と比較した有効性を検証する第Ⅲ相試験が行われます。


ニュースサイト・them.によれば、mRNAワクチンの技術そのものは何十年も前から存在したものですが、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認に時間がかかるため、数が限られていたとのこと。しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる官民連携プログラム「オペレーション・ワープ・スピード」により、臨床試験とFDAの承認スケジュールが加速したことによって、状況が一変しているそうです。

mRNAワクチンは、これまでに認可されたワクチンが存在しないマラリアに対しても適するものが作り出せることが期待されています。

Messenger RNA expressing PfCSP induces functional, protective immune responses against malaria in mice | npj Vaccines
https://doi.org/10.1038/s41541-021-00345-0

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in サイエンス, Posted by logc_nt

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