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「修理する権利」を保証する法律をイギリスが施行、ただしスマホやノートPCは対象外


イギリスが2021年7月1日付けで「Right to Repair(修理する権利)法」を施行しました。この法律は修理業者が自力で修理を行えるように製造業者にスペアパーツの販売を義務づけるものですが、対象製品が少なく、特にスマートフォンやノートPCなどハイテク製品が対象外となっている点が問題として大きく報じられています。

What do the new right to repair laws mean for you? – Which? News
https://www.which.co.uk/news/2021/06/new-right-to-repair-laws-introduced-what-do-they-actually-mean-for-you/

British right to repair law goes into effect today but doesn't cover smartphones or computers
https://www.xda-developers.com/british-right-to-repair-law/

British right to repair law excludes smartphones and computers - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2021/07/01/british-right-to-repair-law/

イギリスが新たに施行した「修理する権利法」は、製造業者に対してスペアパーツの販売を義務づけるもので、冷蔵庫の密封用ゴムパッキンや洗濯機の洗剤用引き出しなどの手軽かつ安全に交換できるようなパーツについては最低10年間、洗濯機のモーターや発熱体などの専門性の高い修理業者向けパーツについては最低7年間にわたって販売を続けるように義務づけます。この法律によって、イギリス政府は年間150万トンの電子廃棄物削減を見込んでいるとのこと。

この法律は一定期間経過後に故障するような製品の製造を防止したり、消費者の「製品を長く使いたい」という声に応えたりするために導入されましたが、「対象製品の少なさ」が注目を集めています。消費者問題に関する非営利報道機関のWhich?によると、同法が対象と定めているのは消費者向け製品においては「食器洗い機」「洗濯機および洗濯乾燥機」「冷蔵機器」「テレビおよびその他の電子ディスプレイ」の4種のみ。そのため、Which?は「調理器やコンロ、回転式衣類乾燥機、電子レンジ、そしてノートPCやスマートフォンなどのハイテク製品は対象外です」と注意を呼びかけています。


さらに、この「修理する権利法」はスペアパーツの価格に対する制限を設けておらず、さらに現実には冷蔵庫の20~25年という平均寿命が示すように、一部の家電機器は同法が定める「10年」を大きく超えて用いられるため、「スペアパーツを手頃な価格で、そして各製品の寿命に近い期間購入させて欲しい」という声が上がっています。その上同法が保証する「修理」というのは、厳密には「修理業者が実行できるかどうか」という判断基準であり、「消費者がパーツを購入できるかどうか」や「消費者が修理できるかどうか」は対象外で、このような点も非難を招いています。

同法は製品販売からスペアパーツ販売までの猶予期間を設けており、各メーカーは製品を販売してから交換パーツを提供するまで2年間の猶予が認められます。


なお、EUは2021年3月に「家電メーカーに修理受付を義務づける法律」を可決しています。この法案では各メーカーに対し、製品の修理を10年間受け付けるように義務づけます。

10年間の修理受付を家電メーカーに義務付ける法律が可決 - GIGAZINE

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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