メモ

無料のHTMLエディターが勝手にリンクを挿入していたと判明、特定のサイトをGoogleの検索上位に居座らせるため


Google検索の上位に表示されるためには、「ウェブサイトのページが外部からたくさんリンクされていること」が重要です。しかし、この目的のために、無料のHTMLエディタがユーザーの知らないうちに、特定のURLに対するリンクを挿入しているという事例が報告されています。

The top-ranking HTML editor on Google is an SEO scam | Caspar von Wrede
https://casparwre.de/blog/seo-scam/

Google検索の上位に表示されるには、ウェブサイトのタイトル・見出し・内容などがGoogleで検索されるキーワードに対応していることや、外部のウェブサイトからのリンク数が多いことなどがポイントになります。このためCaspar von Wrede氏はOnline Scoreboardというツールを作成した際に、Google検索の上位に表示されるようSEO対策を試みましたが、なぜか「ランキングの2位に表示されてしまう」という状態が続いたとのこと。

Wrede氏によるとOnline Scoreboardは製品の性質上、人がURLをリンクしたりウェブサイトに埋め込んだりするものとなっており、時間の経過に比例してリンク数は増加していく設計です。それにもかかわらず、12カ月間にわたってGoogle検索の1位に表示されたのは常に「Score Counter」という別のツールだったとのことです。


この疑問を解決するためにWrede氏はAhrefsというサービスにサブスクリプション料金を支払い、Score Counterの「被リンクプロファイル」を確認しました。すると、Score Counterは2020年1月から2021年1月にかけて急激にリンク数を伸ばしていることが判明。その数は3600件に上りました。


Wrede氏がさらにScore Counterの被リンク詳細を確認したころ、なぜか「ドイツサッカー協会のブログ」につづられている「スコア」の文字からリンクがありました。ブログ内の「スコア」という言葉は一般名詞のスコアであり、特定のウェブサービスを示すものではありません。ドイツサッカー協会のブログの他にはオンラインショッピングサイトの「Macworld Shop」やニュースメディア「NBC4 Washington」、ライス大学のFAQからリンクがあったそうですが、いずれも特定のツールについて言及する文脈ではなかったとWrede氏は述べています。

これらのウェブサイト運営者にWrede氏が質問メールを送ったところ、1つのウェブサイトの回答によって謎が解けることに。このウェブサイト運営者は「リンクの販売などは行っていない」と述べた上で、「昨年からHTMLクリーナー(html-online.com/editor/)を使用しており、最初の数カ月は問題なく機能したのですが、数週間前に突然、このツールがHTMLコンテンツに対してこっそりとリンクを挿入していることに気づきました」「事態を理解した時に私は思い出せる限りの投稿を手動で修正したのですが、ご指摘の通り、いくつかのリンクは残っています。今後はデータベース全体からこのリンクを見つけて置き換えることにします」と説明しました。


つまり、Score Counterの作成者は、これとは別に特定のキーワードにリンクを挿入するHTMLエディタを作成し、Score Counterへのリンクを増加させていたわけです。HTMLエディタの人気が高まり多くの人が使用すれば、Score Counterへのリンクも増加し、Score Counterの検索順位が上がっていくという仕組みです。

前述のHTMLエディタと同様に、以下から利用できるHTMLエディタも特定のURLへのリンクをこっそり挿入するとWrede氏は述べています。

・htmltidy.net
・html-css-js.com
・divtable.com
・html-cleaner.com
・html5-editor.net
・htmlg.com

上記のツールを利用しリンクの挿入を受けた記事の中には、コンピュータセキュリティ企業であるカスペルスキーが「ハッカーから身を守るには」を書いたものも含まれるそうです。ただし、カスペルスキーの記事はScore Counterへの誘導ではなく、「Rubiks」という単語からルービックキューブについて書かれた「Ruwix.com」に誘導するものでした。なお、該当箇所をカスペルスキーは削除していますが、Wrede氏は以下のようなスクリーンショットを撮っています。


これらツールの規約には「私たちは広告を表示し、クリーニングした文書の末尾に対してランダムなリンクを貼ります」という文言があることをWrede氏は確認しています。「寛大な気分なら、HTMLエディタは無料ツールであり、支払い代わりにリンクを挿入していると解釈できる」とWrede氏。ただしGoogleからは近い内にペナルティを食らうだろうとWrede氏は述べています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Wikipediaを利用しコスト0でブランドの検索順位を上げるキャンペーンを実施したTHE NORTH FACEに盛大なバッシング - GIGAZINE

バーガーキングがTVのCMをトリガーにGoogle Assistantにワッパーの説明をさせるもGoogle激怒で即トリガー無効に - GIGAZINE

本当に有効なSEO対策が何かを見分ける方法 - GIGAZINE

サイトやブログへの検索結果からの流入を0から20万に爆増させた時にやったことまとめ - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.