生き物

魚の移動を妨げる水門の問題を解決する「魚の呼び鈴」とは?


オランダのとある運河では、季節の変わり目になると、魚が繁殖などを行うために運河の中を移動します。しかし、そこに設置されている水門により魚の往来が妨げられてしまうため、水門の管理者は魚が訪れるたびにそれを目視で確認し、定期的に水門を開閉する必要がありました。そんな状況を改善するため、生物学者らが「魚のための呼び鈴」システムを考案しています。

About the fish doorbell - visdeurbel
https://visdeurbel.nl/about-the-fishdoorbell/

Utrecht krijgt de eerste visdeurbel ter wereld (en dit is geen 1 aprilgrap): ‘Bij de sluis ontstaat een vissenfile’ | Utrecht | AD.nl
https://www.ad.nl/utrecht/utrecht-krijgt-de-eerste-visdeurbel-ter-wereld-en-dit-is-geen-1-aprilgrap-bij-de-sluis-ontstaat-een-vissenfile~adfd2019/

魚のための呼び鈴があるのはオランダの都市・ユトレヒトのフェヒト運河にある水門です。この水門は普段は閉鎖されていますが、季節の変わり目になると魚の往来が発生するため、水門を1日に何度か開閉する必要があるとのこと。

しかし、水門の管理者がその場をずっと監視しておくというわけにもいきません。そこで、ユトレヒトの生物学者Mark van Heukelum氏とAnne Nijs氏は、魚が訪れたことを水門の管理者に伝えるための独自のシステムを考案しています。


そのシステムとは、水門に水中カメラを設置してライブの映像をオンライン上で一般公開し、その映像の中に魚の姿を確認した人が魚の到着を水門の管理者に知らせるというもの。

このシステムを利用するには、まずライブカメラのページにアクセスします。ページには水中のライブ映像と、赤い「呼び鈴」ボタンが表示されています。


映像の中に魚の姿を確認した場合、そこで映像を止め、呼び鈴ボタンを押します。


すると、映像の下に今の季節にフェヒト運河に生息する魚の一覧が表示されるので、「映像に映った魚はこれだ」と思う魚をクリックし、右の「Versturen(送信)」をクリックします。


「Bendankt voor je inzending!(提出ありがとうございます!)」という文字が現れれば成功、画像が水門の管理者に報告されます。十分な数の報告がなされた場合、水門が開かれるとのこと。


Heukelum氏らは以前から、運河の魚たちをユトレヒトの住民に認知させるためのプロジェクトを行っていました。Heukelum氏は水門の管理者と話している中で、どんな魚が運河を泳いでいるのかを実際に確認したいと考えたとのこと。自動センサーではなくあえてこのように手数が必要なシステムにしたのも、「ユトレヒトの住民に魚について楽しみながら知ってもらう方法だからです」とHeukelum氏は語っています。

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in 生き物, Posted by log1p_kr

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