生き物

身体能力が異様に優れたミミズ「ジャンピングワーム」が急速拡大し土地の栄養を枯渇させていっている


土の栄養を急速に枯渇させる「ジャンピングワーム」と呼ばれるミミズの生息地がアメリカで拡大していることが報告されました。ジャンピングワームはその名の通り、触ると激しくもだえて空中に飛び出し、時には尻尾を落として逃げることもあるとのことです。

Research Update: What Are We Learning about Jumping Worms? | UW Arboretum
https://arboretum.wisc.edu/news/arboretum-news/research-update-what-are-we-learning-about-jumping-worms/

Jumping Worms Are Eating — And Altering — Wisconsin's Forest and Garden Soils
https://pbswisconsin.org/news-item/jumping-worms-are-eating-and-altering-wisconsins-forest-and-garden-soils/

Highly Invasive Jumping Worms Have Spread to 15 States | Smart News | Smithsonian Magazine
https://www.smithsonianmag.com/smart-news/highly-invasive-jumping-worms-have-spread-15-us-states-180977566/

Invasive Jumping Worms That Violently Thrash If Handled Now in at Least 15 U.S. States
https://www.newsweek.com/invasive-jumping-worms-spread-dozen-midwest-states-illinois-missouri-wisconsin-1584616

ジャンピングワームはアズマフトミミズ属に分類され、見た目は一般的なミミズに近いのですが、色が茶色がかっていることと、わずかに小さいことが特徴。またジャンピングワームは繁殖に交尾を必要とせず、土によく似た卵を産むことで繁殖していきます。


もともとジャンピングワームの生息地はアジアでしたが、19世紀に植物の輸入に伴ってアメリカに侵入。それ以降、水路を経由したり、運送トラックに付随したりといった方法で急速に生息範囲を広げてきました。科学者は、記事作成時点で「少なくともアメリカの15州にジャンピングワームは広がっている」とみています。

ジャンピングワークの拡大で懸念されているのは、農作物への影響です。ウィスコンシン大学マディソン校の生態学者であるブラッド・ヘリック氏は、ジャンピングワームが表土の栄養素を急速に奪うことを指摘しています。ジャンピングワームが栄養を奪った後の表土は「コーヒーの残りかす」のような質感になり、水分の保持ができず、植物を栄養不足に陥らせて庭や森のエコシステムに悪影響を与えるとのこと。

以下の写真は左がジャンピングワームに侵食された土地、右がジャンピングワームの侵食がない土地です。


加えて、ヘリック氏は「私たちが気づいたことの1つは、これらのミミズは土壌の質や栄養状態を変えるだけでなく、何らかの方法で在来種に置き換わるということです」とも述べています。

科学者たちはジャンピングワームが森林に与える長期的な影響と、その数の制御方法を調査しているところ。またイリノイ大学農業天然資源の専門家であるニコール・フラワーズ=キマール氏は、家庭の庭でジャンピングワームを見つけた時には、見つけた成虫をビニール袋に入れ、最低10分間太陽の下に置いてから捨てることをアドバイスしています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by darkhorse_log

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