2.6兆個ものトランジスタを搭載した大型チップ「Wafer Scale Engine 2」をCerebrasが開発
2021年4月20日、機械学習やディープラーニング専用のチップを製作する企業「Cerebras Systems」が、ウェハーに2.6兆個ものトランジスタを搭載したコンピューターチップ「Wafer Scale Engine 2(WSE2)」を開発したと発表しました。
We’re serving up a record-breaking chip. It contains 2.6 trillion transistors and covers more than 46,225 square millimeters of silicon, about the size of a dinner plate. pic.twitter.com/vg272j5E6A
— Cerebras Systems (@CerebrasSystems) April 22, 2021
Cerebras’ New Monster AI Chip Adds 1.4 Trillion Transistors - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/tech-talk/semiconductors/processors/cerebras-giant-ai-chip-now-has-a-trillions-more-transistors
WSE2は20cm×22cmの面積に2.6兆個のトランジスタ、85万基のコア、40GBのオンチップメモリを搭載しています。Cerebras Systemsは2019年に1兆2000億個のトランジスタを搭載したチップ「Wafer Scale Engine(WSE)」を開発していましたが、WSE2はほとんどの性能において倍以上の進化を遂げています。WSEとWSE2のスペック比較表は以下の通り。
| WSE 2 | WSE |
サイズ | 4万6255 mm 2 | 4万6255 mm 2 |
トランジスタ | 2.6兆 | 1.2兆 |
コア | 85万 | 40万 |
オンチップメモリ | 40GB | 18GB |
メモリ帯域幅 | 20PB/s | 9PB/s |
ファブリック帯域幅 | 220Pb/s | 100Pb/s |
製造プロセス | 7nm | 16nm |
WSEからの変更点として最も大きい点は製造プロセスです。WSE2ではTSMCの7nmプロセスを採用し、トランジスタの密度を倍以上に高めたことで、速度が40%向上、消費電力が60%低下しているとのこと。
チップそのもののサイズがWSEから変更されていない理由は、このサイズが大量生産できる限界のサイズであるからとCerebras Systemsは説明しています。Cerebras SystemsのヴァイスプレジデントであるDhiraj Malik氏は「AIコンピューティングの情報処理速度には大きなチップが重要です」と語り、Cerebrasは新しくなったWSEをさまざまな顧客に提供していく方針です。
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