サイエンス

男性がコーヒーを1杯飲むごとに「前立腺がん」のリスクが1%減る


前立腺がんとは、男性の生殖器の一部である前立腺に発生するがんで、男性のがんとしては2番目に発生率が高く、また近年急増していることが指摘されている非常に危険ながんです。そんな前立腺がんの予防に、コーヒーが役立つ可能性があるとの研究結果が発表されました。

Coffee consumption and risk of prostate cancer: a systematic review and meta-analysis | BMJ Open
https://bmjopen.bmj.com/content/11/2/e038902

Higher coffee intake may be linked to lower prostate cancer risk: Each additional daily cup associated with reduction in risk of nearly 1% -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2021/01/210111190137.htm

Drinking Coffee Daily may Protect Men from Prostate Cancer
https://www.guardianmag.press/2021/01/drinking-coffee-daily-may-protect-men.html

今回、定期的にコーヒーを飲むことで前立腺がんのリスクを低減できる可能性があることを突き止めたのは、中国医科大学附属盛京病院の泌尿器科医であるKefeng Wang氏らの研究チームです。コーヒーの人気の高さから、コーヒーと健康について調べた研究データが豊富なことに着目したWang氏らは、論文を集積した3つのデータベースの中から「前立腺がんとコーヒーの飲用習慣の関係」に焦点を当てた文献497件を抽出して精査しました。そして、内容の重複が見られたものや、統計的に有用で質の高いデータが含まれてないものなどを除外した結果、最終的に16件の論文が残りました。

研究が実施された地域の内訳は、北米とヨーロッパが各7件、日本が2件でした。また、参加者の合計は108万1586人で、そのうち前立腺がんの患者は5万7732人だったとのこと。


研究チームが、16件の論文をメタアナリシスにより統計的に分析した結果、毎日2~9杯のコーヒーを飲んでいるグループは、2杯未満しか飲んでいないグループに比べて、前立腺がんを発症する確率が9%低いことが判明。コーヒーをよく飲んでいたグループでは、飲むコーヒーの量が1杯増えるごとに前立腺がんのリスクが1%低減されていたとのこと。

また、コーヒーをよく飲むグループのリスクを前立腺がんの症状ごとに分けて調べたところ、がん組織が前立腺内にしかない「限局性前立腺がん」の場合ではリスクが7%、がん組織が他の部位に転移した「進行性前立腺がん」及び「致死性前立腺がん」の場合ではリスクがそれぞれ12%と16%低減されていました。


研究チームは論文の中で、「本研究では、コーヒー摂取量の増加が前立腺がんのリスク低減と関連している可能性が示唆されました。そのメカニズムについてはさらなる研究が必要ですが、コーヒーの摂取量が多いと前立腺がん発生率が低いという関係性が因果関係であることが証明されれば、男性は将来前立腺がんのリスクを減らすためにコーヒーをもっと飲むよう推奨されるようになるかもしれません」と結論付けました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
コーヒーに含まれ健康をブーストする「ファイトケミカル」とは? - GIGAZINE

コーヒーを飲むと「心不全のリスクが下がる」という研究結果 - GIGAZINE

コーヒーには発がん性物質が含まれている、という話は本当なのか? - GIGAZINE

「コーヒーをたくさん飲む人は長生きする傾向がある」という研究結果 - GIGAZINE

諸説ある中で結局「コーヒーは健康にとって良いもの」なのか? - GIGAZINE

コーヒーを飲んでいる人は死のリスクが低い、最も生存率が高くなる飲み方は? - GIGAZINE

コーヒーはがんの原因にならないことを世界保健機関が発表、ただし熱すぎる飲み物はがんの原因になる - GIGAZINE

コーヒー中毒者がコーヒーをやめて分かった「コーヒーのメリット/デメリット」とは? - GIGAZINE

in サイエンス,   , Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.