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Google翻訳をはじめとした翻訳ツールは用語誤解の原因になりうる


Chromeで開いている母語以外のページを翻訳してくれる機能は便利なものですが、その翻訳が正確かどうかは、しっかり調べなければわからない部分があります。カーネギーメロン大学のVinay Prabhu博士らは、翻訳の結果、女性が男性になってしまったり、「暴力を禁じる」が「暴力を命ずる」のように、正反対の内容になってしまう事例があると指摘しています。

Google translate bias investigations - YouTube


Prabhu博士らが発表したのは「Did they direct the violence or admonish it? A cautionary tale on contronomy, androcentrism and back-translation foibles(彼らは暴力を指示したのか、いさめたのか?コントロノミー、男性中心主義、逆翻訳についての注意点)」という論文。という論文。


最初に博士らが着目したのは、男性主義的なバイアスを示す「彼女(she)生存率」です。これは、いったん翻訳した文章を元の言語で翻訳し直す「逆翻訳」を行ったとき、「彼女(she)」という語が残るかを示す数値。



アフリカの言語で行ったところ、ニジェール・コンゴ語族では「彼女生存率」は極めて低く、アフロ・アジア語族ではかなり高いという、大きな差が出ました。これは「言語に性差が出やすいかどうか」に根付いたものだと考えられます。



次に博士らが着目したのは、対義語の誤訳です。調査は全109言語を対象として、縦断的に行われました。


さらに、弱い部分を明らかにするため、単一の言語でさらに多くの対義語の横断調査も行ったとのこと。



実際に、ヒンディー語を用いた逆翻訳で、作家・医師として活躍した女性、ラッシード・ジャハーン氏が男性であったかのような変換になることが示されています。



論文の完全版はまもなく公開予定だとのことです。


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