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キリストはマグダラのマリアと結婚していたかもしれない謎のテキストを発見

By victor_nuno

映画にもなった小説ダ・ヴィンチ・コードではイエス・キリストがマグダラのマリアと結婚していた、という描写が出てきますが、ハーバード大学のKaren Kingさんはイエス・キリストが「私の妻」と発言している文章が書かれたパピルスを発見しました。この文章は同時に「Mary(マリア)」についても言及しており、これはマグダラのマリアを指していると推測され、キリスト教徒たちに衝撃を与えています。

The Inside Story of a Controversial New Text About Jesus | History | Smithsonian Magazine
https://www.smithsonianmag.com/history/the-inside-story-of-a-controversial-new-text-about-jesus-41078791/

パピルスの破片はクレジットカードよりもさらに小さく、両面に黒いインクで文字が書かれていました。Kingさんによれば文書は古代エジプトの言語によるもので、初期のキリスト教文書の多くのものと同様に3世紀から4世紀の間に翻訳されたと考えられています。


パピルスには33語の言葉が不完全な14行の文章によって書かれているので、厳密に読み取るのは難しいとのこと。Kingさんはパピルスから以下の8つの文章を拾い集めました。

(1) “not [to] me. My mother gave to me li[fe] … ”(「私にではない。母は私に命を与えた……」)
(2) The disciples said to Jesus, “(弟子たちはイエスに言った、「)
(3) deny. Mary is worthy of it(そうではない。マリアはそれにふさわしい)
(4) ” Jesus said to them, “My wife(」イエスは彼らに言った、「私の妻は)
(5) she will be able to be my disciple(彼女は私の弟子となることができるだろう)
(6) Let wicked people swell up(邪悪な人々を増えさせています)
(7) As for me, I dwell with her in order to (私の場合、彼女と共に暮らしています)
(8) an image(一つのイメージ)

彼女の分析によると、(3)に書かれている「Mary(マリア)」は「おそらく」マグダラのマリアであり、イエスが弟子からマリアを守っている描写であると推測されています。そして(4)にある「My wife(妻)」と、そして(5)の「she(彼女)」は同じくマグダラのマリアを示しているとのこと。この文書は書物の1ページだった可能性もありますが、いずれにしてもこれは初めてにして唯一の、イエス・キリストが結婚していたことを描写する古代文書です。

Kingさんは2010年に手稿コレクターから「グノーシス派の福音書を手に入れたのですが、その中にイエスと彼の弟子、そしてマグダラのマリアについての文書が含まれていました。写真を送るので見てくれますか?」というメールを受けとったそうです。詳しい情報と写真を受け取った後もで彼女は偽物ではないか、と疑っていたそうですが、パピルス学で高名なニューヨーク大学のRoger Bagnallさんに写真を送ったところ、「信じていい。それは本物である」という返事をもらったとのこと。

By mzeecedric

しかし、Kingさんはこの破片が実際にイエス・キリストが結婚していた、ということの証拠だとは主張していません。彼女の分析によれば福音書はイエス・キリストの生涯(そして来世)を文書化したものであり、多くの福音書はイエスの磔の後、紀元2世紀にギリシャで書かれたと考えられています。そしてその2世紀ほど後に古代エジプト語に訳されたため、イエスの結婚の証拠としては不十分なのです。

この破片が明らかにしたことはもっと微妙で複雑なことです。パピルスからわかるように、初期のキリスト教徒たちは彼らに教えを説いたイエス・キリストを崇高で、知的であり、妻のあるものとして書いていました。しかもそれはただの妻でなはく、新訳聖書の中でもっとも言及された女性、マグダラのマリアの可能性があるのです。Kingさんによれば、この発見が提示する疑問とは「どうしてイエス・キリストが独身であるという文献だけが生き残ったのか?」ということ、そしてイエスがマグダラのマリアや、その他の女性と親密な関係にあったという文書は残っていないのか?ということです。これは単なる偶然なのか、それともキリスト教徒たちにとって独身こそが理想だったからなのか、明らかではありません。

By jaci XIII

なお、パピルスはまだインクを調べるなどの科学的試験を終えておらず、この発見の重要性は「このパピルスは本物である」という仮説の上に成り立っていることはKingさん自身も述べています。彼女は今後、スペクトル分析などの科学的試験を行った後、「The Gospel of Jesus’s Wife(イエスの妻の福音書)」という論文を発表する予定だそうです。

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in メモ,   動画, Posted by darkhorse_log

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