どうすれば抵抗なく「自分を宣伝すること」ができるのか?
近年では職場でチャンスをつかむために、自分の得意分野や実績を上司らにアピールする「セルフプロモーション」が重要だといわれていますが、「自分は素晴らしい人材である」と自ら主張することに抵抗がある人も多いはず。そんな職場における自己アピールについて、リーダーシップや職場環境の専門家であるレイチェル・クック氏が、「不快感を覚えずに職場で自己アピールする方法」を解説しています。
How to Self-Promote at Work Without Feeling Icky
https://www.quickanddirtytips.com/business-career/self-promote
素晴らしい仕事をしてクライアントを喜ばせることは職場で新たなチャンスをつかむ上で重要ですが、単に仕事をこなすだけで自らの成功につながるのは、上司や意思決定者が部下の仕事をしっかり把握している場合のみです。もし、上司や意思決定者が部下の業績や能力に関心を持っていない場合、プロジェクトの成功を自分と結びつけてもらえないかもしれません。
そのため、クック氏は「あなたが仕事で出世したいのであれば、素晴らしい仕事を成し遂げるだけでは道半ばです」と指摘。自分の業績に光が当たるかどうかは上司に対する自己アピールにかかっており、失敗すれば職場での成長が妨げられる可能性もあるとのこと。しかし、自己アピールについて「自慢しているようで嫌だ」「必死に自分をアピールするのは浅ましい」と感じる人も多いものです。そこでクック氏は、「不快にならないように自己アピールする5つの方法」を以下の通りにまとめています。
◆1:意図的に焦点を絞ってアピールする
自己アピールにためらいがある場合、自己アピールを人生の生き方そのものにするのではなく、単なる「目的を達成するための手段」として捉えることが必要です。何かに成功するたびに「自分はこの仕事を成功させました!」とアピールする人はうっとうしいものですが、達成したい目的のために必要な特定の成果に絞ってアピールするのであれば、それほど気に障るものにはなりません。
もちろん、自己アピールする際には宣伝と謙虚さのバランスを取ることが重要であり、必要以上の能力をひけらかすことは禁物です。たとえば、クライアントのニーズに耳を傾ける能力をアピールすることが目的なのに、グラフィックデザインやライティングのスキルまで必死にアピールするのはやり過ぎとなります。謙虚さを保ちつつ、必要な時だけ自己アピールをするのであれば、同僚も協力的になってくれるとのこと。
◆2:他の人も一緒にアピールする
自己アピールは職場内でのゼロサムゲームではなく、自分一人だけではなく複数人が同時に称賛されるべき場合もあります。多くの場合、重要なプロジェクトを達成した際には同僚や部下の手助けがあるものであり、こうした「自分以外の協力者がどのように貢献したのか」を伝えることも自己アピールに役立つそうです。自分と一緒に他の人の能力もアピールすることで、自分だけでなく「他者を宣伝できる人」としての評価も得られるとクック氏は主張。
たとえば、クライアントへの売り込みに成功してビジネスを開始できたことをアピールする際、「部下のサリーによる素晴らしい調査と準備がなければ、この案件は成功していなかったでしょう」と述べます。これにより、自分がビジネスの開始を成功させたことをアピールしつつ、サリーの功績をたたえることができます。
◆3:専門知識を示す質問をする
「IoTとは何ですか?」「AIは今後10年で業界をどのように変えるでしょう?」といった表面的な質問は、流行を抑えておけば誰にでもできます。しかし、特定のトピックについて深く知っている場合、専門家と出会った時には専門知識がなければできない高度な質問をするべきだとのこと。目的の主題をより深く理解したいという姿勢を見せ、相手の回答に適切に反応することで、質問の中でさりげなく自分を「この分野に詳しい人間」であるとアピールすることが可能です。
◆4:フィードバックを求めつつアピールする
何かアピールにつながるプロジェクトを達成した場合、上司や意思決定者に対して自己アピールを行う必要があります。しかし、いきなり「私はこんな素晴らしい仕事を実現しました」と訴えるのは不自然であり、自己アピールが苦手な人は話を切り出しづらいもの。
そこで、「自分がうまくいった物事のプロセスを分析して、次回はさらに物事をスムーズに進めたい」と伝え、フィードバックをもらう形で相手に実績を伝えるのも1つの手段です。ここで重要なのは不誠実にならないことであり、フィードバックを受けるからにはポジティブな意見だけでなく批判を受けることも理解し、謙虚さを忘れずにオープンな考えで会話に臨む必要があります。
◆5:他の人に奉仕する
自分の知識やスキルを示すための優れた方法の1つに、「他の人に奉仕する」ことが挙げられます。たとえば、コーディングについて詳しいのであればワークショップを開催したり、職場での昼食時に興味を持っている同僚にレクチャーしたりすることで、「あの人はコーディングに詳しい」と周知することができます。プレゼンテーション能力が高いのであれば、チームがプレゼンテーションを行う際の効果的なひな型を作成するといった行動を通じて、あからさまな自己アピールをせずに能力を披露できるとクック氏は述べています。
クック氏は最後のまとめで、自己アピールに抵抗がある人は「自己宣伝は簡単であり、卑劣なことではない」ということを念頭に置くべきだと主張。企業は従業員が価値を提供することを期待して報酬を支払っているのであり、従業員が自己アピールをしないせいで企業が真価を引き出せないのであれば、それこそが企業にとっての損失になります。クック氏は自己アピールについて、「あなたに何ができるのか、どのようにしてより大きな利益を提供できるのかを、企業に知らせる手段として考えて下さい」と述べました。
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