歴史から学ぶ「最も残念な死に方5選」
死は誰にも平等に訪れますが、死に方は人によって千差万別です。歴史や記録に名前が残っている人物の最期の中で「とりわけ残念な死に方5選」を、歴史をテーマにしたニュースサイト・History of Yesterdayが解説しました。
The Five Most Ridiculous Ways People Have Died in History | by Summer | History of Yesterday
https://historyofyesterday.com/five-most-ridiculous-ways-people-have-died-in-history-b396b5d56693
◆1:自分のひげで死亡
ドイツとの国境に位置するオーストリアの都市、ブラウナウ・アム・インは、アドルフ・ヒトラーの生地として有名ですが、もう1人有名人を輩出しています。それは、16世紀にブラウナウ・アム・インの市長を務めたハンス・シュタイニンガーです。
by Benutzer: M.M
シュタイニンガーは市民から敬愛される優れた政治手腕だけでなく、長さ137cmにもなる立派なひげの持ち主でもありました。シュタイニンガー自慢のひげは、普段は丁寧に巻いてポケットに入れられていましたが、1567年の9月に火災が発生した際ひげがポケットから飛び出してしまいます。火事で慌てていたシュタイニンガーは、ポケットから出た自分のひげで足を滑らせて階段から転落し、首の骨を折って死亡しました。
シュタイニンガーの死を嘆いたブラウナウ・アム・インの市民は、シュタイニンガーの葬儀をあげる前にひげを切り取り、化学処理をして地元の博物館に保管することにしました。イン川のそばに建てられたブラウナウ・アム・インの博物館には、記事作成時点でもシュタイニンガーのひげが展示されているそうです。
by Markus Metz
◆2:礼儀正しすぎて死亡
ティコ・ブラーエは、16世紀当時としては極めて正確な天体観測を行ったデンマークの天文学者です。ブラーエの時代には望遠鏡はまだ発明されていませんでしたが、ブラーエは航海用の道具と自分の目、そして数学的な計算だけで超新星を含む新しい星を1000個以上も発見しました。
デンマークの貴族として生まれたブラーエは、非常に礼儀正しい性格の持ち主でした。そのため、プラハで催された宴席に出席中に尿意を催した際に、「途中で席を立つのは大変失礼なことだ」と考えてトイレに行きませんでした。あまりにも小便を我慢しすぎたブラーエは、家に帰ってもわずかな尿しか出せなくなり、これが原因で尿毒症を発症して息を引き取りました。
◆3:笑いすぎて死亡
クリシッポスは、紀元前3世紀の古代ギリシャで活躍したストア派の哲学者で、「クリシッポスがいなければストア派もなかった」と言われるほどの功績を収めています。現代のプログラミング言語や表計算ソフトで当たり前に使われている「if-then文」も、クリシッポスが生み出した命題論理の一部です。
クリシッポスが発展させたストア派哲学は、「ストイック」という言葉の由来にもなっていますが、クリシッポス自身の最期はあまりストイックなものではありませんでした。ある日、ロバがイチジクを食べている光景がツボに入ったクリシッポスは、意識を失うまで笑ってそのまま73歳で死んだといわれています。
◆4:楽団を指揮して死亡
ジャン=バティスト・リュリは、イタリア生まれのフランス人音楽家です。作曲家として有名なほか、ヴァイオリンやギターの演奏、オペラや舞踊など多彩な才能に恵まれた芸術の天才でもありました。1660年に、時のフランス国王であるルイ14世から宮廷楽長に任命されたリュリは、音楽家として順風満帆な人生を歩んでいましたが、1687年に思わぬミスが元で死を迎えることになります。
ある日、ルイ14世のために楽団を指揮していたリュリは、誤って指揮棒を足の上に落としてしまいました。当時の音楽家は、現代の指揮者が振るうような軽い指揮棒ではなく、金属や木でできた重い棒で地面をたたいて調子を取りながら指揮をしていたので、リュリは大ケガをしてしまいました。
リュリの足の傷は次第に悪化し、傷口から菌が感染して足を切断しなくてはならなくなりましたが、踊りの名手だったリュリは「また踊りたい」と足の切断を拒否。感染症が全身をむしばみ、負傷から2ヵ月後の1687年3月に世を去りました。リュリが命を落とすきっかけになった演奏会は、皮肉にもルイ14世が病気から回復したことを祝うためのものでした。
◆5:自作の目覚ましで死亡
1880年代のニューヨークに住んでいたサム・ワーデルという男性は、夜になったら街灯をつけて、明け方に消すという仕事をなりわいにしていました。当時の街灯には、自動でついたり消えたりする機能はなかったので、朝になったら誰かが早起きして消す必要がありました。しかし、普通の目覚まし時計では寝坊してしまうと考えたワーデルは、自室に手製の目覚ましシステムを設置することにしました。
ワーデルが作った目覚ましシステムは、普通の目覚まし時計と壁掛け棚をワイヤーで結び、棚の上に重さ10ポンド(約4.5kg)の石を置くというもの。もし、目覚まし時計が作動する前に起きられないと、ワイヤーが引っぱられて棚と石が床に落下し、大きな音を立てるという仕組みになっていました。
ある日、自室でパーティーを開いたワーデルは、スペースを確保するためにベッドを棚の下に移動させました。そしてパーティーが終わると、ベッドに潜り込んで眠りにつきました。パーティーで酔っ払ったワーデルは、棚の下に移動させたベッドを元に戻すのをすっかり忘れていたので、翌朝棚から落下した石がワーデルの頭を直撃。自作の目覚ましシステムがきちんと作動したのが原因で、ワーデルは目を覚ますことなく永遠の眠りにつくことになりました。
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