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M1搭載Macはディープラーニングに適しているのか検証した結果


AppleがMac向けに独自開発する「Apple Silicon」の記念すべき最初のチップとなる「M1」は、海外メディアから「コンピューティング革命」や「信じられない偉業」など絶賛レビューの数々を受け取っています。そんなにM1チップは「ディープラーニングに適しているのか?」ということを、データサイエンス関連メディアのBetter Data Scienceが検証しています。

Are The New M1 Macbooks Any Good for Deep Learning? Let's Find Out | Better Data Science
https://www.betterdatascience.com/m1-deep-learning/

M1チップは8コアCPUと8コアGPU、16コアニューラルエンジンなどがひとつになったチップセットで、CPU性能GPU性能だけでみても、前世代のMacよりも高性能なことが明らかになっています。

以下は2020年に登場したM1搭載MacBook Pro(下)と、2019年に登場したIntelプロセッサ搭載のMacBook Pro(上)のCPUおよびGPUをGeekbench 5を使ってベンチマークテストした結果を示したもの。シングルコア、マルチコア、OpenCLのスコアはいずれもM1搭載MacBook Proが圧倒。


複数のベンチマークからM1チップが高性能であることが明らかになっていますが、それでは「ディープラーニング関連のタスクでM1チップはどの程度高速に動作するのか?」ということを、Better Data Scienceが検証しています。

ただし、M1チップはすべてのデータサイエンスライブラリと互換性があるわけではなく、「例えばM1搭載MacでTensorFlowのバージョン2.4を正しく動作させることは、口で言うほど簡単ではありません」とBetter Data Scienceは説明しています。


そのため、以下で示されているベンチマーク結果はあくまで各Macでディープラーニングを行った場合の「平均トレーニング時間」を示しただけのものであり、「科学的なものではない」とBetter Data Scienceは注意書きしています。

以下は、ディープラーニングにおける初歩のデータセットとして扱われるMNISTデータベースを用いて、エポック回数「10」のニューラルネットワーク分類器をトレーニングするのにかかった時間を、Googleが無料で提供しているGoogle Colabと比較したグラフ。M1搭載MacBook Proの方がGoogle Colabよりもトレーニングに時間を要するという結果になっているため、Better Data Scienceは「この結果は少し残念です」と記しました。


以下は、MINSTデータベースに衣料品画像を追加したFashion-MNISTを用い、上記と同じニューラルネットワークをトレーニングするのにかかった時間を示したもの。MINSTデータベースを用いた場合と同じような結果になっていますが、あくまでここまでは簡単なデータセットを用いた場合のテスト結果といったところ。


動物や乗り物など様々な種類の写真が含まれた「より高度なデータセット」である「CIFAR-10」を用いて、3つの畳み込み層を使用したニューラルネットワーク分類器をトレーニングした場合の所要時間をまとめたのが以下のグラフ。上記で使用されたものよりも複雑なニューラルネットワークとデータセットを使用した結果、トレーニングの所要時間も大きく変化し、Google ColabのCPU環境でトレーニングするよりもM1搭載MacBook Proでトレーニングする方が爆速に。ただし、Google ColabのGPU環境ではM1搭載MacBook Proよりもトレーニングの所要時間が短いままです。


Better Data Scienceは「M1チップはより良いパフォーマンス、過熱もなく、より良いバッテリー寿命を実現しています。それでも、ディープラーニングに興味があるという人には、推奨するのは難しいところです」「M1チップはIntelベースのMacと比べて約2倍ほどパフォーマンスが向上していますが、ディープラーニング用に作られたマシンではありません。誤解しないでください。MacBook Proは基本的なディープラーニングタスクに使用することができますが、日常的にディープラーニングを行う場合は、同じような価格帯でより優れたマシンがあります」と記し、ディープラーニングについてはより適したマシンがあるとしています。

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in ソフトウェア, Posted by logu_ii

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