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ギャンブルも保険もSNSも同じビジネスモデルだという指摘、その理由とは?


公然とギャンブルが行われるカジノは日本人の生活にはあまりなじみがない存在ですが、日本人の8割以上が加入している生命保険や、インターネットを介したコミュニケーションには欠かせないソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)とカジノは「実は同じビジネスモデルに根差している」と、ニュースレターサービスのSubstackで経済論やプログラミングについての記事を発信しているvaso氏が論じています。

Casinos as a Business Model - Satisologie: Systems//Creativity
https://satisologie.substack.com/p/casinos-as-a-business-model


vaso氏によると、カジノが繁盛する最大の理由は「不公平なチャンス」があるからだとのこと。カジノでは客側が勝つこともあれば負けることもありますが、試行回数が十分に多ければ最終的にはカジノ側が勝つようになっています。そして、これは統計情報に基づいて保険会社が得をするように設計されている保険商品も同じだと、vaso氏は指摘しています。

SNSの場合、プラットフォームとユーザーだけでなく「広告業者」という別の要素が存在しますが、やはりカジノと同じ原理が働いています。その構造を説明するにあたり、vaso氏はSNSを「美しいサンゴ礁」、ユーザーを「サンゴ礁で泳ぐ魚」、広告業者を「サンゴ礁で魚を狙う漁師」に例えて、「サンゴ礁は魚たちに無料で提供されていますが、サンゴ礁の管理者は漁師に漁業権を販売し、漁師はいい獲物が捕れるかどうか分からない『不公平なチャンス』にお金を払います」と述べました。


また、vaso氏は「人は誰かと共感し合うことを望んでSNSを使いますが、実際に交流をしてみないとその欲求が満たされるかどうか分からないという意味では、SNSのユーザーも不確定要素にさらされていると言えます」と述べて、広告業者だけでなくユーザーもまた「不公平なチャンス」に釣られてSNSを使っていると指摘しました。

このように、カジノ・保険・SNSに共通している「不公平なチャンス」に基づいたビジネスモデルを、vaso氏は「オッズ」と呼んでいます。つまり、ギャンブルの勝率と賭け金に応じた「オッズ」の計算から利益を得ているカジノと、リスクやリターンの計算に基づいてビジネスを行っている保険会社やSNSは本質的には同じものだというのが、vaso氏の主張です。

vaso氏の記事について取り上げたオンライン掲示板・Hacker Newsのスレッドには、「保険会社の大半は公正な価格を下回る契約を販売し、変動相場でもうけています」という書き込みや……


「カジノは誰かが勝てば誰かが負けるゼロサムゲームですが、広告主が関心の高い広告で消費者を得るSNSはこれとは違ってWin-Winです」という書き込みが投稿されていました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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