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最短で高給を実現するには?スポーツからプログラミングに大きく軸足を変えシリコンバレーで働くエンジニアにその半生と学習法を聞いてみた


2030年には最大約79万人が不足する可能性があり、IT人材の不足はまだまだ続く見込みだということが(PDF)経済産業省の調査でわかってきています。そこで、今からでもITスキルを身につけてエンジニアに転職したい&給料を上げたい……と考える人に向けて、あまり知られていない「エンジニアとして成功するために本当に大切なことは何か」を、文系からエンジニアになってシリコンバレーの企業で働くエキスパートエンジニアであり、かつオンライン動画学習プラットフォーム「Udemy」の講師でもある酒井潤さんに聞いてみました。

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目次
◆1:文系から年収5000万円のエンジニアになるまでにたどった道のりとは?
◆2:大切なのは「どの技術を学べばよいのか」という選び方
◆3:デキるエンジニアの仕事環境
◆4:次々に成功をおさめるコツについて

◆1:文系から年収5000万円のエンジニアになるまでにたどった道のりとは?


GIGAZINE(以下、G):
まず酒井さんがどのような人物かということについて聞いていきたいと思います。酒井さんはどういった経歴でシリコンバレーエンジニアになったのでしょうか?

酒井潤さん(以下、酒井):
まず大学は同志社大学の神学部で、サッカー推薦で入学しました。

G:
サッカーが得意だったんですね。神学部というのはなかなか聞かない名前ですが、この学部を選んだのはやはりサッカー推薦の枠が理由でしょうか?

酒井:
そうですね、「サッカー推薦はこの枠しかない」と言われたので、学部についてはよく知らないまま入学しました。「しんがくぶ」と聞いて「進学部」かと思ってたぐらいです(笑)。何を学ぶのかは興味なくて、ただサッカー選手になれればなんでもいいやと思ってました。


G:
では大学の間はずっとサッカーに打ち込んでいたのでしょうか?

酒井:
在学中は日本代表に選ばれたり、東アジア競技大会で金メダルを獲得したりしました。でも大学1年か2年の全国大会で膝の靱帯(じんたい)を切ってしまって。一応その後もカバーしながらやり続けたんですが、やっぱりパフォーマンスが伸びにくく、プロサッカー選手のオファーも貰ったんですが、「プロになってもすぐクビになるんじゃないかな」と思って方向転換しましたね。

G:
そこからプログラマーの道へ進むんですね。これはなぜプログラミングを選ばれたんでしょうか?

酒井:
サッカー以外の進路をどうしようかと、教授や周りの人にいろいろ相談してみたんですけど、体育会系だから不動産の営業とか料理人とか、そういったアドバイスをたくさんいただきました。その中で、神学部の教授が「今後はITと英語さえやれば食っていけるよ」と言ってくれたのが大きかったですね。ITは分野が広くて、どこか一つの部分だけ集中的にやれば今までIT全般を学んできている人に勝てる可能性があるし、しかも産業自体が膨れ上がってきて狙いやすいよと。当時アメリカでIBMのプログラマーが年収5000万円だという話を聞いて、狙う価値がありそうだと思ったことも理由の一つです。

G:
なるほど。

酒井:
弁護士や会計士など、進路の候補については参考書をある程度全部見たんです。その中でも、ITの入門書は分かりやすく書いてあったので、「あ、これ全然いけるな」と。

G:
「勉強はあまりしてこなかった」とのことですが、もともと数学は得意だったんでしょうか?

酒井:
数学は得意でしたね。サッカー選手を目指していたので勉強はあまりしていなかったんですが、全くしないのもマズいのでどれか一つだけ絞って勉強しようと思っていて、そのときに親から「数学だけできていればなんとかなるだろう」と言われ、数学を選んだんです。小中高と数学だけは得意でした。まあ、得意と言っても数学だけ平均点以上で後は赤点って感じです(笑)。英語も大学で8点とかそういうレベルでした。

G:
なるほど。エンジニアの勉強は独学でできたのですか?

酒井:
独学では雇ってもらえないだろうなと思って、大学院に進むことにしました。院を出たほうがキャリア形成が簡単かな、と。あとはアメリカで働くときに就労ビザが必要なんですが、修士を持っていた方がビザが出やすいので、そのあたりも理由の一つですね。

G:
プログラマーになりたい場合はまず院を出たほうが良いですか?

酒井:
私のケースは文系だったので院に行きましたが、大学で情報系の学部を出ていれば良いキャリアに進めると思います。自分のキャリアが他人にどう見られるかを考えた時に、私みたいなケースだと院に行った方が良かった、ということですね。

G:
では院は情報系のところに進学されたわけですね。

酒井:
北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)というところに進学しました。


G:
大学院にもいろいろ選択肢があると思うのですが、JAISTを選んだ理由はありますか?

酒井:
大学院を片っ端から全部調べたんですけど、JAISTだけが文系を募集していたんですよね。当時「文系脳を持った人も入れたほうが良いよね」という話から5%だけ文系枠が用意されていたので、頑張って滑り込みました。「文系から情報系の大学院行くのは難しそう」とよく言われるんですが、調べたら案外いけるもので、調べる事は大切だなと思いますね。

G:
ITの道を選んだ時から渡米を考えていたということですが、英語についてはいかがでしたか?

酒井:
英語はほとんど勉強していなかったですね。社会経験やITスキルを得てからでも良いかなと思っていたのと、ITの勉強に追いつくのに必死で同時進行が厳しかったというのが理由です。社会人1年目2年目で受けたTOEICの点数は330点でした(笑)。それくらい、ITに集中して勉強していました。ただ、英語も意識していたので、大学院で留学生が居たら英語を教えてと頼んでみたり、社会人になってからも六本木とかに行って外国の人に接してみたり、私はサッカーが得意なので海外の方が作っているサッカーチームを探して入り込んでみたり、そうやって英語力を身につけていきました。

G:
では英語は特に集中して勉強したわけではなく、継続的にそういう機会を見つけて自分でトライ&エラーで実力を伸ばしていったわけですね。

酒井:
そうですね。英語もITも一番伸びると思うのは自分よりも得意な人と一緒にいる時だと思います。外国の人と恋愛したときにグッと英語力が伸びるといわれますが、それと一緒で意識的に英語の環境を作っていったり、プログラミングなら自分よりもスキルがある人が多い環境に自分を置いたりするのが一番スキルが伸びますね。環境の変化を起こす方が簡単にスキルを伸ばせると思います。

G:
昔から勉強よりも環境を変えるというやり方で実力を伸ばしてきたんですか?

酒井:
例えばサッカーだと一つ上の学年の人とプレイすると伸びるんですよね。なのでコーチにそこに入れさせてもらってました。自分のスキルのちょっと上くらいの環境が実力を伸ばすにはベストだと感じていますね。

G:
経歴の話に戻るのですが、大学院を卒業した後はどうされましたか?

酒井:
NTTドコモに入社しました。途中、ハワイに会社を作ってみたりしつつ2年間ドコモにいて、その後に米国のスタートアップに転職してアメリカ生活スタートという感じです。

G:
ハワイに会社を作ったことには、どういった狙いがあったのでしょうか?

酒井:
アメリカに行く方法の一つに経営者ビザというのがあり、それで渡米しようとしていたんです。当時は日本で会社を設立しようとすると1000万円の資本金が必要だったので、アメリカで安く会社を設立して、日本支社を運営していました。実際にハワイで仕事をしていたわけではないんですが、こうすると米国株式会社って名乗れるんですよ(笑)

G:
実際の仕事は日本でしていたということですね。

酒井:
「米国株式会社の社長です」と名乗るといろんな社長さんが面白がってくれて、すごく仕事が取りやすかったです。ウェブの開発など、勤めている会社では学べないけれど自分が学びたい分野の仕事を取ってきて、実践的に学んでいました。今でいうとフリーランス的な感じですね。技術力を高めつつ売上を上げて、経営者ビザを狙おうと思っていました。

G:
シリコンバレーで働くための方法をいろいろ実行していたと。

酒井:
経営者ビザも狙えるし、仕事を取ってきて技術力も上げれるし、一石二鳥だったので、プランB的な感じで用意していました。シリコンバレーに行くための戦略の一つですね。

G:
シリコンバレーを目標にしたのには何か理由がありますか?

酒井:
一つはお給料が良いというところです。もう一つは、ITの技術レベルって日本とアメリカでかなり差があるので、どうせエンジニアやるんだったら世界のトップでやった方が良いだろう、と思ってシリコンバレーを一つの目標にしていました。また、シリコンバレーでいったん働いてしまえば、もし解雇されても転職しやすいかなという考えもありましたね。キャリアのどこかで自分を大きく、すごい人物だと見せることができれば、その後が楽になると思っていて。

G:
なるほど。先ほど、仕事を取ってきて学びながら実践したとおっしゃってましたが、どうやってITスキルを学んでいたのでしょうか。

酒井:
とにかく片っ端から本を読んでいましたね。当時は動画の講座なんてなかったので、本を頼るしかなかった。あとは自分よりも実力のあるエンジニアとつながりを持っておいて、分からない部分は聞きまくっていました。やっぱり一人で仕事を受けるのって心配なので、仲良い友だちにご飯をおごったり、助けを求められたら何かを手伝ったりと「チーム作り」を意識していたのも大きいかもしれません。

G:
多数戦略を用意していたおかげもあって、2006年にシリコンバレーの企業に転職できたわけですね。

酒井:
シリコンバレーではまず最初にスタートアップの企業に雇ってもらったのですが、この企業が2008年のリーマンショックで倒産してしまって。シリコンバレーにあるNTTの研究所に転職して3年勤めた後、現在も勤めているSplunkという会社に転職しました。Splunkは私が入社直後に上場して、当時周りにいた人たちは5億円とかもらってましたね。「世界一周旅行に行くんだ」とか言って入社時にいた人は結構辞めてしまいました(笑)


G:
5億円!お祭り騒ぎという感じですね(笑)

◆2:大切なのは「どの技術を学べばよいのか」という選び方


G:
酒井さんはオンライン動画学習プラットフォームのUdemyで多くの講座を開講されています。酒井さんは学習において「環境を変える」ということを重視していますが、こうしたオンラインの動画講座というのは環境を変えるという点で役に立つと思われますか?

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酒井:
例えばシリコンバレーでのプログラミングのやり方というのは、日本にいるとなかなか触れることがないと思うので、そういった世界トップのシリコンバレーの情報を得られるというのは大きいと思いますね。オンラインの動画講座だと時間や場所の制限なく、自分に合った先生に教えてもらえるので、身の回りに優秀な先生がいなくても、インターネットの力で優秀な先生に教えてもらえるという環境を作り出せます。

G:
ご自身の講座をどういった人に役立てて貰いたいですか?

酒井:
「シリコンバレーで使われている世界トップレベルの技術を学びたい人」ですね。日本とシリコンバレーでは、技術選定や実務内容に差が大きいんです。例えば日本だと開発者が日本人という事もあってRubyがかなり流行しているんですけれども、GAFAといったシリコンバレーの現場でRubyをメインで利用しているところは無いんですよ。最終的にGAFAが使っている技術が広がることが分かっているのに、日本では全く違う方向の技術が選ばれ、エンジニアもそっちに行ってしまうことがあるので、「シリコンバレーで何が流行していて、どんな技術がどんな感じで使われているのか」という世界トップの技術を知ってほしいと思います。

G:
Udemyでは動画で学習を進めることができますが、書籍に比べてどういった点が優れていると思われますか?

酒井:
個人的には、「書籍を開いてコードのスクリーンショットと画面のコードを照らし合わせ、さらに解説がどこに書いてあるのか見る……」というのは結構面倒だと思うんですよね。動画だと、動画を表示してコードを見つつ、その隣にIDEを置いて自分のコードを書く……ということが1つの画面上で行えるので、私は動画のほうが好きです。Udemyはスマートフォンでも利用できるので、電車でも見ていただけますし、再生スピードも調整できるので、そのあたりも活用していただければなと思います。UdemyにはQ&Aもあるので、分からない部分があれば気軽にご質問いただけるというのも書籍にはない長所ですね。

G:
ちなみに、エンジニアに向いている性格や考え方はあると思いますか?それともどういう人でも勉強さえすれば技術力は伸ばせるのでしょうか。

酒井:
本気で目指すのであれば誰でもエンジニアになれると思います。「エンジニアは論理的思考が大切だ」と言われることがありますが、そんなに論理的じゃなくてもエンジニアはできると私は思うんですよ。英語の文章の組み立てとかと一緒で、主語述語みたいなパーツを文法通りの英語にできるくらいの知識があれば、プログラミングも全然できます。難しいイメージを持っている人も多いんですが、個人的にはそれほど難しいと感じたことはないです。


G:
一回実際に勉強してみて、適性を確認してみるのが良いという事ですね。

酒井:
そうですね。あとは、あまり他人と比較しないことが大切だと思います。例えばキャリア5年のエンジニアと仕事をしていて「自分は全く何も分かっていない」と感じたとしても、そこで「自分はダメなんだ」と思うんじゃなくて、「何年かやれば自分もできるようになる」というイメージを持つのが大事ですね。どんな仕事でも2~3年やればそれなりのことはできるようになると思うんですが、エンジニアも同じです。

G:
最初につまづいてしまうとモチベーションを保つのが難しくなると思いますが、モチベーションが下がってしまった時はどうするのが良いのでしょうか。

酒井:
私も「なんかこの分野向いてないな」「この分野は他のエンジニアに勝てないな」と思って勉強のモチベーションが下がることがあるんですが、そういう時はさっさと逃げちゃいます。ライバルがやっていない分野に行ってみたり、自分が勝てるビジョンが見える分野に行ってみたり。エンジニアとして活躍したいのであれば、勝てる場所を見つけることが大切だと思います。

G:
柔軟に方針を変更していくのが大事という事ですね。

酒井:
今は「AI」「機械学習」「ブロックチェーン」のような分野が流行しているじゃないですか。そういう分野を目指しても、流行の分野は世界のトップエンジニアがやりだすので勝つのはなかなか難しい。もちろんお給料はめちゃくちゃ良いんですけれども、私はそこをあえて避けています。Splunkはビッグデータの会社なんですが、私はそのビッグデータのコア部分ではなくて、ビッグデータをクラウドで提供するバックエンドのところをやっています。儲かる企業に入る時に、その企業のピラミッドの中でコアエンジニアがやらない部分を自分は狙いました。こういう感じで、他の人に勝てないのであれば戦略的に勝てる部分を狙っていった方が良いと思いますね。

G:
その勝てる部分を見つけるには何をすれば良いと思いますか?

酒井:
一つは自分のスキルを客観的に評価できることが重要だと思います。もう一つは戦略を立てるための情報を集めることですね。

勝てる部分が見つからないというのは、まだ情報が足りていないんだと思います。どのプログラミング言語が盛り上がっているのか、はたまた人気が低下中なのかという情報は、英語で検索すれば数字やグラフが出てくるんですよ。

言語以外だと、2018年や2019年にはKubernetesやTerraformといった技術が流行していたんですが、これらに全く手を付けていない人は、そういった情報を得られていないんですね。英語で最新の情報を獲得して、次に盛り上がりそうな技術を狙ってみたり、その分野にどれくらいのエンジニアが向かって行っているのかを求人情報などから推察してみて、あまりにも人気そうだったら避けてみたり。そういった「可能性がある」技術の中で自分のスキルとマッチするものを探すには情報が大切です。

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G:
英語で情報収集するのが大切なんですね。

酒井:
私の感覚では、英語と日本語だと10倍から100倍くらいは情報量が違いますね。特にテクノロジー関連は日本語で検索するよりも英語で検索した方がサクッと情報が手に入ります。

G:
では今からエンジニアになろうとしている人は英語も何らかの方法で習得していく必要があるということですか?

酒井:
英語で調べられると技術で困った時とかにも調べやすいので、他のエンジニアよりも解決能力が高くなるとは思います。ただ、エンジニアの中にはそんなに難しくない仕事もたくさんあり、そういう仕事だと日本語だけでも解決できるので、言ってしまえば仕事次第ですね。

G:
酒井さん的には2021年に向けて、どういった技術や知識を身につけていれば強いと思いますか?

酒井:
エンジニアを目指すのであればITと英語に加えてもう一つ何か強みを意識すると良いと思います。もう一つというのは例えばフィンテックだったり、ロボットだったり、ほかにも機械学習など、エンジニアとして一通りできるのに加えて、どこかの分野に特化するのが良いんじゃないかなと思いますね。

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また、言語や具体的な技術でいうとPythonはもちろん、Googleが作っているGoなんかも伸びてきています。ほかにはKubernetesやDockerとか、AmazonのAWSとか、Terraformとか……要するにGAFAが取り入れている技術を学んだ方が良いということです。

服でもお金を持っている企業が広告を出して流行を作っていくように、IT業界でもシリコンバレーの世界をリードするお金持ち企業が資金力で流行を作っていくので、そういう企業が使っている技術を学ぶのが重要です。なので、さきほどいくつか技術名を挙げましたが、2021年にGAFAが違う技術を使い始めたらそっちを学んだほうが良いです。「この技術が面白そう」「知人がやっていた」といった理由で新しい技術を学び始める人もいますが、そうやっているとどんどん世界の流れから離れてしまうので、そこは注意してほしいなと思います。

私はPythonを14年ほど前からやり始めたんですが、今になってようやく日本でもPythonが流行してきましたよね。機械学習やAIの分野でGoogleがPythonにライブラリを整備したように、世界のエンジニアはずっと前からPythonをやっているのに、日本は今になってようやくPythonをやり始めているんですよ。結局、エンジニアとしてのIQレベルは世界と日本でそんなに変わらないのに、技術選定の部分で間違えて完全に差が付いちゃっているんですよね。日本で今からAIを開発したいですと言ってもRubyエンジニアの人たちがたくさんいて、でもAI分野のRubyのライブラリはPythonには劣ってしまうじゃないですか。そうすると結局世界に通用するものが作れなくて出遅れるんですよね。なので、これから何を身につけると良いかは一言で「世界のGAFAがやってる技術です」と言った方がいいかもしれません。

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G:
資本の後ろ盾を持っている技術を勉強すれば良いという事ですね。

酒井:
結局あとから日本に入ってくるので無駄にならないと思います。

G:
そして日本のIT技術が遅れているのは技術選定の問題が大きいと。

酒井:
ほかにも、働き方がかなり違います。基本的に日本ではSIerなどにプログラムを外注するじゃないですか。シリコンバレーでは外注しないで自社で社員を雇って開発するのでめちゃくちゃスピーディーなんですよ。仕様書とかも全然作らなくて、3ページくらい仕様を書いたらさっさとコードにしていって、コードも大枠だけでさっさと形にしていっちゃう。日本だと分厚い仕様書を書いて外注に投げますが、完成までの間にビジネスが変化することもあります。その変化を受けて機能変更しようにも、外注なので少しの修正でさえなかなか難しい。シリコンバレーで働いていると開発を始めて1カ月くらいで競合他社の機能が良ければ方向転換してコードを書き換えることもあります。3カ月で3回プロジェクトやチームメンバーが変わったり、コードを捨てちゃったりするスピード感は日本、特に日本の大手企業ではなかなか無いものだと思います。文化的なものもあるので、個人でどうこうするのは難しいと思いますが、一応海外のスピーディーな開発のやり方を知っておいた方が良いのかなと私は思いますね。


G:
途中で情報収集が大切だという話が出ていたんですが、酒井さん自身はどのように情報収集をされているのでしょうか。日本のエンジニアが参考になりそうな話などもあればお願いします。

酒井:
個人では難しいかもしれないんですが、企業内に「アーキテクチャー」というポジションがあると便利なんですよね。アメリカだとアーキテクチャーという情報収集が役割みたいな人がいて、社内でエンジニアたちが技術選定で困ったときにアドバイスしてくれるんです。「Goってもう使えるの?」とか「新しいライブラリが出てきたけど古いのとどっちを使うべき?」とか、そういう時にアーキテクチャーに聞けるんですね。だからあまり自分で調べなくてもよい上に、アーキテクチャーの人が流行の技術についてプレゼンにまとめてくれることもあるので、そういう社内セミナーに行くだけで割と情報を得られます。情報収集を専門でやってくれるので、そのエリートの言葉を信じてその分野を学んでいくことで効率を上げています。なので、日本の会社でもアーキテクチャー系のポジションの人に技術選定してもらえると、その下で働くエンジニアの人たちは楽になりますね。アーキテクチャーがいるので私自身はあまり情報収集はしていませんが、アーキテクチャーの人がいなければ自分で英語で情報収集するしかないですね。

G:
個人だと自分で情報を取りに行くしかないですよね。英語でどう検索すればよいか分からないというレベルの人ができることは何かありますか?

酒井:
Twitterなどにシリコンバレーで働いている方がいらっしゃったりするので、そういう自分よりも情報を知っていそうな方々をフォローするのがベストかなと思います。フォローしている人が判断を間違うこともあるんですが、それでも何人か信頼できそうな人をフォローして情報を集めていくというのもいいかもしれません。

◆3:デキるエンジニアの仕事環境


G:
酒井さんは講座でPyCharmを使われていますが、エディタとしてPyCharmを選ばれた理由を伺っても良いでしょうか。


酒井:
特に機能で選んでいるわけではないですね。Microsoftが作ったフリーエディタのVSCodeが流行しているので試してみたんですけど、スクロールの感覚やコードの色合いなど、ほんのちょっとした部分に違和感があって、ストレスを感じてしまうんですよね。結局IDEはコンパイルできてデバッガがついていれば何でもいいんですが、素早く手を動かしたときの思い通りについてくる感じが好きでPyCharmを使っています。

G:
エンジニアは一日中PCの前にいることが多いと思いますが、椅子や机はどういう基準で選ばれたのでしょうか。

酒井:
椅子はゲーミングチェアの「DXRACER」ですね。机は高さを変えられるものにしていて、ラップトップPCもアームに付けて動かせるようにしています。そうすると、Zoomをやるときはラップトップを正面にして、やらないときは端に置いておいたりできて便利です。


何を選ぶにしても機能を重視していて、例えばキーボードはテンキー無しのものにしてマウスまでの距離を短くしたり、マウスはトラックボール付きのものにしているので親指だけでカーソルを操作できて肩が疲れなかったり、そういう部分で選んでいますね。とにかく体が楽になる環境で仕事ができるようにしています。


G:
仕事環境を整えるのにもお金をかけたほうが良いんですね。

酒井:
お金はかけてますね。ただ、完全に機能重視で選んでいるので、パーツがカラフルに輝いたりはしません(笑)。見た目をカッコ良くする方向にハマると買い物に時間を使っちゃうじゃないですか。カッコ良さとかブランドとか、そういう方向には行かないようにしています。

G:
ブランドで揃えたりコレクションしたりはしないということですね。

酒井:
時間がもったいないですよね。スティーブ・ジョブズが同じ服を着るみたいに、無駄なことをしたくないという感覚ですね。

◆4:次々に成功をおさめるコツについて


G:
酒井さんはサッカー選手としてもプロのオファーを貰うくらい活躍されていましたし、エンジニアとしてもシリコンバレーの一線級の企業で働かれている上に、Udemyの動画講座でも多数の講座をヒットさせています。そうした数々の成功を収めるにあたっての「成功のコツ」は何だったと思いますか?

酒井:
先ほど言った事と被るんですが、やっぱりスキルが伸びる環境に身を置くと成功しやすいと思います。今はSplunkで働いているんですけど、Splunkで働いているとGAFAからたくさんエンジニアがやってくるんですね。そういうエンジニアと一緒に仕事してますし、マネージャーもGoogle出身だったりして、そういう人たちからプログラミングを教わるとめちゃくちゃスキルが伸びるんですよ。環境が良ければ必ずスキルが伸びるので、環境については常に考えるようにしています。

G:
成功するためには思い切って環境を変えてしまった方が良いということですか?

酒井:
「スプーン一杯のリスク」と私は表現しているんですけど、多少のリスクを取って環境を変えていくのは良いんですが、リスクを取りすぎないのも大切だと思います。大きなリスクを抱えている人は高いビルで綱渡りをしているみたいなもので、上手く切り抜けて大成功をおさめる人もいますが、うっかり足を滑らせて死んじゃったら元も子もないですよ。多くの人は全くリスクを取ろうとしないので、ほんの少し、スプーン一杯程度のリスクを取って環境を変えて行くことで他の人よりも有利なポジションを得ることができるんです。

後は意志力も大事ですね。結局のところ仕事も勉強もスポーツも、はたまた結婚なんかも意志力が大事だと思いますが、何をするにせよ意志力をつけることが大切でしょうね。スタンフォードの教授が意志力について研究しているんですが、なにか自分が辛いことをやると意志力が強くなるらしいんですよ。例えばキャッチボールするときにあえて左手で投げてみるとか、掃除するときに左手でやってみるとか、そういうのでも伸びるらしいです。

とはいえ、そういう意志力とかモチベーションとかは人によってあったりなかったりします。じゃあモチベーションがない人は成功できないのかというと、そういう訳でもない。モチベーションがない場合でも大切なのは、「誘惑を削除する」ということですね。スマホにしろゲームにしろ、そういう誘惑するものを自分の周りから一切排除しちゃって、自分がエンジニアになりたい、これで成功したいと思ったらそれに集中できる環境を作れば良いんです。誘惑に負けると成功するための時間が取れないので、「人間ってそういうものだ」と受け入れて戦略的に対応してほしいですね。そうすれば誰でもエンジニアとして成功できるんじゃないかなと思います。


G:
酒井さんの部屋には誘惑しそうなものは一切置いていないということですか。

酒井:
何かに集中したい時はマンガとかを全部倉庫に入れちゃいますね。ただ、ずっとそういう状態なのも辛いので、休憩のタイミングにはPCの横にマンガを置いていたり本を持ってきたりとか、そういう感じで対応しています。

G:
とにかく環境を整えるのが大切なんですね。

酒井:
意志を強くするよりもそっちの方が簡単ですからね。私もよく「意志が強いですね」と言われるんですが、実はよくゲームやマンガ、YouTubeとかに時間を取られちゃうんですよ。でも頑張ると決めた時はもうそれを全部排除しますし、アプリをアンインストールするだけでも全然違うのかなと。意志力を意識的に鍛えるのはなかなか難しいので、誘惑を削除する方を重視するのが良いと思います。

G:
本日はありがとうございました。

インタビューで登場したオンライン学習プラットフォーム「Udemy」では、酒井さんを始めにそれぞれの分野の第一線で活躍する方々の講座を受講可能です。ちょうど、1月7日(木)まで新春セールが行われており、質の高い講座が1260円~で受講可能とのことで、2021年に向けてITの力を磨き上げたい人には絶好の機会となっています。

また、Udemy Japan公式Twitterアカウントでは、新春キャンペーン期間中、抽選で10人に「アマゾンギフト券5000円分」が当たるフォロー&引用RTキャンペーンも実施しているとのこと。RT数に応じて最大50人まで当選者数も増えていくそうです。

【賞品内容】抽選で10名様に「アマゾンギフト券5000円分」をプレゼント(当選者には後日DMでご連絡)
【応募期間】2020年12月30日~2021年1月7日
【応募条件】Udemy Japan公式Twitterをフォローし、該当の投稿に「2021年の学びの抱負」を添えて引用リツイートしてください。
その他、詳細につきましては公式Twitterのキャンペーンについての投稿をご確認ください。


オンラインコース -世界最大級のオンライン学習プラットフォーム- Udemy
https://www.udemy.com/


・酒井さんが講師を務める講座
今回のインタビューに登場した酒井さんが開講している講座の中でも人気の講座をまとめておいたので、受講の参考にしてみてください。

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Udemyは、「Improving Lives Through Learning(学びで人生をもっと豊かに)」を事業コンセプトとして掲げる米国法人Udemy,Inc.が運営する世界3,500万人以上が学ぶオンライン学習プラットフォーム。(2015年よりベネッセコーポレーションが日本における独占的事業パートナーとして提携を開始)Udemyは、C to C(Consumer to Consumer)プラットフォームで世界中の「教えたい人(講師)」と「学びたい人(受講生)」をオンラインでつなげる。最新のIT技術からビジネス、趣味まで幅広い領域の学びをオンラインで学ぶことができ、世界で約13万コース、約5万7000名の講師が登録している。

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