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ニューヨーク州の全学校で「生体認証技術」が禁じられる


ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が、学校での顔認証技術などの生体認証技術の使用を一時的に禁じる法案に署名しました。生体認証技術は2022年7月までニューヨーク州の全公立校・私立校で使用不可となります。

Governor Cuomo Signs Legislation Suspending Use and Directing Study of Facial Recognition Technology in Schools | Governor Andrew M. Cuomo
https://www.governor.ny.gov/news/governor-cuomo-signs-legislation-suspending-use-and-directing-study-facial-recognition


New York bans facial recognition tech at schools - Medianama
https://www.medianama.com/2020/12/223-new-york-schools-facial-recognition-ban/

New York Puts Moratorium On Facial Recognition Use In Schools
https://www.dailydot.com/debug/new-york-facial-recognition-schools-moratorium/

2020年12月22日、クオモ知事が学校での生体認証技術の使用を禁じる「A6787-D」法案と、A6787-Dの実施期間を定める「S5140-B」法案に署名しました。これらの法案は、同州の教育委員会に対して生体認証技術に関連する研究を実施するように指示し、「2022年7月1日に達する」「同教育委員会が許可を出す」のどちらかの条件が満たされるまで州内に存在する全学校での生体認証技術の購入・使用を禁じます。

今回の法律によって、州情報技術局は州教育局と協力し、教師や両親だけでなく、学校に関する安全性やセキュリティ、データ、プライバシーの専門家からのフィードバックを考慮した上で、生体認証データなどの取り扱いに関する具体的事項を検討する予定です。


同法についてクオモ知事は「この法律では、ニューヨークの学校にどのような種類の生体認証技術を持ち込むことを許可するのかという問題について、州の教育政策立案者が一歩下がって専門家に相談した上で決定を下すことを求めます。子どもたちの安全とセキュリティの確保は全ての両親にとって極めて重要であり、生体認証技術の利用は軽々しく決定されるべきではありません」とコメントしています。

ニューヨーク州の公式ページは、今回の法案について「女性や若年層、有色人種などの誤認率が高い上に、生体認証データの安全性とセキュリティに関する諸問題によって学生のプライバシーが脅かされるという懸念を受けて提出されました」と説明していますが、今回の法案は、顔認証技術の使用がロックポート市の私立学校で承認されたことに関して、ニューヨーク自由人権協会が州教育局を2020年11月に提訴したことを受けての措置ではないかと指摘されています。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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