メモ

毒殺されかけたプーチン大統領の政敵が「パンツに毒を仕込んだ」というスパイの自白を得ることに成功


ロシアにおける汚職問題の追及や、ウラジーミル・プーチン大統領への批判などで知られるロシアの野党党首のアレクセイ・ナワリヌイ氏が、当局者を装って工作員と接触し、2020年8月に発生した自身への暗殺未遂事件の手口を暴くことに成功したと発表しました。

Navalny Says Russian Agent Confessed to Plot to Poison Him - The New York Times
https://www.nytimes.com/2020/12/21/world/europe/russia-navalny-poisoning-putin.html

Alexey Navalny dupes Russian spy into revealing how he was poisoned - CNN
https://edition.cnn.com/2020/12/21/europe/russia-navalny-poisoning-underpants-ward/index.html

反体制派のリーダーであるナワリヌイ氏の暗殺未遂事件が発生したのは2020年8月のこと。ロシア上空を飛ぶ国内線の機内で突然体調が悪化したナワリヌイ氏は、飛行機が緊急着陸したオムスクの病院に運ばれ、一命を取り留めました。その後ナワリヌイ氏が搬送されたドイツの医療機関は、「毒殺にはロシア製の神経剤であるノビチョクが使用された」と結論付けました。

by IlyaIsaev

一時は命の危険もあったナワリヌイ氏ですが、その後立ち上がれる状態まで回復。ドイツの病院で療養する傍らで独自の調査を実施。ロシア連邦保安庁(FSB)本部の電話番号を使用してFSBの高官を装い、FSBの工作員と接触しました。

ノビチョクが衣服に塗布されていたと考えたナワリヌイ氏が、「どの服に毒を仕込んだ?最も危険な服は何だ?」と尋ねると、工作員は「パンツ」と端的に回答したとのこと。さらに詳細を追及したナワリヌイ氏に対して、工作員は「下着の内側にある、股の縫い目の部分に沿って毒を塗りました」と説明したそうです。ノビチョクは当初、ナワリヌイ氏の飲料に混入されたと見られていましたが、毒物の専門家によると粒状のノビチョクを着衣に塗布して、経皮的に対象者に吸収させることも可能とのこと。

ナワリヌイ氏の調査チームは、ナワリヌイ氏が接触した工作員は、FSBのエリート毒物チームに所属していたコンスタンティン・クドリャフツェフ氏だと特定しました。電話の中で、クドリャフツェフ氏は自分自身は下着に毒を塗っていないが、ナワリヌイ氏の衣服を回収して証拠を隠滅するために、2回オムスクに赴いたと話したとのことです。


一方、FSBはロシアの通信社・RIAノーボスチを通じて、「ナワリヌイ氏の調査報告は偽造であり、FSBの信用を傷つけることを目的として計画された挑発である」と主張する声明を発表しました。

ロシア政府は、ナワリヌイ氏暗殺未遂事件へのプーチン大統領の関与を否定していますが、ナワリヌイ氏はCNNの取材に対し「今回の調査によって、事件の背後にプーチン個人がいることが明らかになりました」と話しました。

また、ニューヨークタイムズは、ナワリヌイ氏がYouTubeに投稿した証言ムービーについて、「ムービーはたった2~3時間の内に700万回も再生され、ロシアのインターネットユーザーに衝撃を与えました。これは、ロシアのスパイ機関の力とプロフェッショナルな仕事ぶりに土がついた最新のエピソードであり、ロシアのハッカーによるアメリカでの大規模なサイバー攻撃のニュースとは対照的です」とコメントしました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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