生き物

「生体鉱物アーマー」を持つ昆虫が発見される


アリはかなり組織化された生物であり、社会性の高い昆虫として知られています。時に大規模な戦争を起こすことでも知られるアリですが、新たな研究では、ハキリアリが自ら生み出した「生体鉱物アーマー」をまとっていることが発表されていました。昆虫界でミネラルを硬化させたボディーアーマーを装着している生物の例は、これが初めてとのことです。

Biomineral armor in leaf-cutter ants | Nature Communications
https://www.nature.com/articles/s41467-020-19566-3

These Ants Suit Up in a Protective 'Biomineral Armor' Never Seen Before in Insects
https://www.sciencealert.com/these-leaf-cutter-ants-are-the-first-known-insects-to-coat-their-bodies-in-biomineral-armour


「Acromyrmex echinatior」として知られる新種のハキリアリの群れは、それぞれ役割が決まった4つの階級に分かれており、特殊な菌類を育てて「農業」を行うことで何百万もの仲間から成る群れを維持します。大きな群れで暮らすということは病原体にかかるリスクも高くなりますが、Acromyrmex echinatiorは「生体鉱物アーマー」を身に付けてそうした脅威や外敵との「戦い」に備えていることがウィスコンシン大学マディソン校の研究チームにより発表されました。

以下の写真に写っているのがAcromyrmex echinatior。


研究を行った微生物学者のキャメロン・カリー氏は「私たちは何年もハキリアリについて、特にハキリアリと抗生物質を生み出す菌の関係について研究を行ってきました」と述べており、「アリの表面が生体鉱物な結晶で覆われている」という今回の発見は、菌とアリの関係について調べる中で生まれたとのことです。

研究チームが顕微鏡検査や電子線後方散乱回折法などでアリの外骨格を覆うミネラル層を深く観察したところ、コーティングは約3~5マイクロメートルのマグネシウムの方解石結晶でできていることが判明しました。


このような構造がいつ・どのように発生するのかを調査するため、研究チームはハキリアリを飼育。研究者によると赤ちゃんアリにコーティングは存在しませんが、アリが成長するにつれコーティングは急速に発達し、外骨格を大きく硬化させることが判明したそうです。また研究者が実験的にハキリアリを「戦い」の環境に置いたところ、生体鉱物アーマーを持つハキリアリは戦いにおいてケガが少なく生存率を高めることができました。また、アーマーを持たないハキリアリはメタリジウムのような病原体に感染しやすいことも研究者は述べました。

一方で、アリが鉱物製のアーマーを発達させたのは、このような保護を得る以外の目的もあるはずだと研究者はみています。加えて、研究者はマグネシウム結晶によるアーマーを持つ昆虫はAcromyrmex echinatior以外にも多く存在すると考えており、研究を続けることで軽くて強度の高い素材を開発できる可能性があることから、これが今後の有望な研究分野だという見解を示しました。

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in サイエンス,   生き物, Posted by logq_fa

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